のとルネアンバサダー、イベント担当るっちです。
2023年9月23日より、珠洲市で3回目となる芸術祭「奥能登国際芸術祭2023」が開催します。
開催まで1週間をきり、6割以上の作品が完成しているとのこと。
今回、奥能登国際芸術祭実行委員会事務局スタッフさんにより、完成している屋外作品を案内していただきました。
ますます開催が楽しみになるレポートをお届けします。
奥能登国際芸術祭2023では48作品が展示されますが、今回はほんの一部、5作品について案内いただきました。
5作品を見るだけでも心満たされる感動の作品ばかりでした。
Contents
奥能登国際芸術祭2023 大谷地区
珠洲市の大谷地区とは、日本海の荒波に浸食された岩礁が多くみられるエリアです。
背景は、海です!
作品№06・ファイグ・アフメッド「自身への扉」@寄揚の浜(ゴジラ岩の周辺)
珠洲の景色ではおなじみの「ゴジラ岩」。荒波に揉まれ、けずられた岩礁が「ゴジラ」に見えるというものです。
そのゴジラ岩がある浜に、キラキラと輝く鳥居がありました。
木製の鳥居に、スパンコールがちりばめられています。
海の風で、スパンコールが揺れて、きらきらと光っているんですよ。まるで波のようにうごめいているような不思議な鳥居です。
そして、鳥居の真ん中に、少し隙間があるのが見えますか?
そこに実は弦が張ってあり、風で弦が鳴り響くのです!
それは鳥居のすぐ近くに行かないと聞こえないかもしれません。
鳥居は是非、くぐってみてくださいね。タイトルである「自身への扉」は鳥居をくぐることで開けるのかもしれません。
そばまで行って光を感じ、風が織りなす音を聴いてみてくださいね。
作品№07・奥村浩之「風と波」@鰐崎海岸
鰐崎海岸は前回の「奥能登国際劇術祭2020+」でも作品展示会場として選ばれていました。
前回も自然の景色を利用した作品がありましたが、今回もまるで景色にとけこんでいるかのような作品でした!
遠くから見てもわかる、作品の美しさ!凛とした白さが海と空に負けない美しさを醸し出しています。
立つ位置を変えて作品を見ると、違った景色が見えます。
奥能登国際芸術祭2023 日置地区
珠洲市の日置(ひき)地区とは、日本海の最先端に位置し、日の出・日の入りを見ることが出来る禄剛埼灯台があるエリアです。
作品№10・アレクサンドル・ポノマリョフ「TENGAI」@木ノ浦野営場
美しい海岸がある木ノ浦の、キャンプなど野営ができる広い敷地です。
空に突き抜けるような大きな大きな作品があります。
「TENGAI」というタイトルのこの作品。
地元の酒造で使用されなくなった焼酎のタンクが使用されています。
少し離れたこの場所からでも、「キューン」というような澄んだ細い音が聞こえます。
支柱から、ハープの弦が張られており、風に共鳴して音が鳴っているのです。
使用されなくなった廃材から、こんな澄んだ音がするなんて。
生きている、と感じた作品でした。
作品№11・リチャード・ディーコン「infinty41.42.43」@木ノ浦海岸
こちらは美しい海岸が見える木ノ浦海域公園です。
作品は空に向かっており、まるでアンテナのような、受信機のような?
作者の意図によると、衛星で宇宙と珠洲とをつないでいる送受信機としているそうです。
作者は他所でも制作活動をしており、他の地でもこのような作品を展示しているそうです。
作品はシリーズとなっており、その作品が置かれている他所と珠洲も繋げているようです。
作品タイトルにある42/43/44という№は、シリーズ作品の通し番号だそうです。
ここから、たくさんの地と繋がっているんですね。
作品№13・小野龍一「アイオロスの広場」@狼煙漁港
能登半島の最先端地点である狼煙(のろし)にやってきました。
開催前でしたので、シートに覆われていますが、どこか真脇遺跡を思わせる木柱。
中央にはアップライトのピアノがあります。
出番待ち、といったピアノです。
よく見ると、ピアノと木柱が弦でつながっています。
この弦はピアノの鍵盤の弦と共鳴するそうです。
どんな音がでるのでしょう!!聴きたくてたまりません。
開催期間中の10月21日17時30分より、作曲家によるコンサートがあるそうですよ。
時間的に日暮れですし、幻想的なコンサートになるに違いありません。
5作品の案内をしていただいた奥能登国際芸術祭2023のスタッフさんに感謝いたします。
「スズ」のロゴの入ったTシャツで、一緒に作品を巡ってくださいました。
解説があるのとないのでは見方が違ってくると思います。
今回私は取材として案内を受けることができましたが、開催期間中は公式ガイドブックを購入し、参考にしながら作品を巡るとより一層この奥能登国際芸術祭2023を楽しむことができると思います。
公式ガイドブックは、『奥能登国際芸術祭2023』に関する情報はもちろん、珠洲の交通情報・飲食・宿泊まで完全網羅したガイドブックですので、おすすめです。(定価1182円+税 (税込み価格1300円) A5並製 160項)
また、「すずアートバス」を利用すると、バスに地元ガイドさんがいらっしゃいます。
私は前回の「奥能登国際芸術祭2020+」ではすずアートバスを利用し、ガイドさんの説明でものすごく楽しむことができました。
すずアートバスのご利用や、開催の案内についてはこちらの記事をご覧ください。
ちなみに、前回の「奥能登国際芸術祭2020+」のレポートもありますのでご参考にどうぞ。
制作中の作品や既存の作品
珠洲市には、前回、前々回の作品がそのまま残されている場所があります。
こちらの作品は旧・蛸島駅にある作品。
映えスポットとして今ではすっかり定着した作品です。
こちらは正院町にあるバス停です。奥能登国際芸術祭2017の作品です。
市内3か所に同じ作者による作品がバス停として現在も使用されています。
残念ながら作者は奥能登国際芸術祭2017の開催後にお亡くなりになったそうです。
所用があり、旧・鵜飼駅にも立ち寄りましたら。。。
ここにも、何やらアート作品のようです。
ホームにも作品らしきものが!中には作業する人影が見えました。
開催に向けてラストスパートでしょうか。
どんな作品になるか、開催後に訪れるのが楽しみでなりません。