のとルネアンバサダー、観光担当のっちです!
隠れキリシタン寺と呼ばれる「本行寺」。
七尾市にある山の寺寺院群の中ひとつで、キリシタン大名の高山右近が身を潜めたといわれているお寺です。
見所満載の本行寺さんをご紹介しますね。
Contents
山の寺寺院群とは
まず、七尾市にある山の寺寺院群についてご説明します。
山の寺寺院群は、天正年間(約400年前)に前田利家が能登の國の領主として現在の小丸山城址公園に居城を築いた折、奥能登方面からの防御陣地に転用する目的で真宗寺院を除く各宗派寺院29ケ寺を配置したのが始まりで、現在16ケ寺が残されています。(旧・七尾市観光協会リーフレットを参考にさせていただきました)
まとめてある記事もございますのでこちらも是非ご覧くださいね。
16ケ寺院がありますが、その中に浄土真宗の寺院はありません。
真宗寺院は城下であった町中に多く配置されたようです。
かの有名な前田利家が居城を築いた小丸山城址公園
本門法華京都宗妙蓮寺末 揚柳山「本行寺(ほんぎょうじ)」
本行寺は文明年間創建、京東山文化に茶の湯を文化として確立した茶の湯の祖・円山梅雪(ばいせつ)が1483年に草創しました。
永正年間七尾城主に請われ下向し、畠山文化の黄金時代を築きました。
また、円山梅雪は貿易商人であり、加賀藩は鎖国禁教令下にも関わらず、ひそかにキリスト教文化の導入を図り加賀百万石文化の発展に大きな功績を残したといわれています。
高山右近が潜んだといわれる本行寺
本行寺にある高山右近像です。
高山右近は戦国時代の有名な武将で、キリシタン大名として有名です。
加賀藩前田家の客将として招かれ、その後国外追放となるまで滞在していたとされています。
高山右近はここに修道所を設けてキリシタンの信仰を広めたとのことです。
高山右近が当時使用したといわれる菓子鉢が伝わっています。
隠れキリシタン巡礼の本懐「ゼウスの塔」
本行寺にある「ゼウスの塔」です。
全寿院、と書いてゼウス、と表記されていますよ。
パッと見キリシタンのものではないように見えます。
この塔は、隠れキリシタンが信仰したという塔で、彫り方で、十字の模様になるように工夫されています。
一見、違和感のない石塔なのですが、模様にカモフラージュされたこの十字を、信仰していたのです。
そして、丸い模様も見られました。
それは、キリシタンの信仰対象でもあるマリア様にちなみマリアを文字って「マルイ」とし、丸い模様を刻んだそうです。
そうして秘かに信仰されていたとのこと。
涙ぐましい隠れキリシタンの信仰です。
体内に十字架が隠された秘仏
キリシタン禁教令下にもかかわらず加賀藩には前田家及び臣下、町衆にも信仰する人が多かったそうです。
その方たちが崇拝した像です。
一見、普通の像ですが、、、
像の腹部をご覧ください。スライドで腹部と手が開きます。
そしてその中には十字架が見えました!
日本国内の体内佛は観音開きであることが多いのですが、左右にスライドさせて開く造りは珍しいそうです。
キリシタン文化の影響がうかがえます。
体内に十字架が隠されたこの秘仏は、常に本行寺に鎮座しています。
博物館や海外に出展することは絶対にしないとのことです。
信仰が守り続けられたこの地で、お守りするのだと本行寺の小崎住職が話されていました。
前田家茶室「きく亭」
本行寺を草創した円山梅雪は、千利休より以前の茶人でした。
その円山梅雪が作ったとされる茶室「きく亭」は、日本で最も古い茶室と言えるのではないでしょうか。
書院造りで違い棚、床(とこ)があります。天井は高く、炉は切られていません。
当時の茶室は男性しか入ることができなかったそうですが、この「きく亭」では初めて女性が入ることができたとのことです。
これも男女同権をうたうキリシタン文化の現れですね。
当時の「きく亭」は、文化としての「茶会」として社交場であり、戦略などの「会議室」であり、西洋の技術や学問を教わる「勉強会」であったそうです。
この場所で秘かに、しかし賑わって場を囲んでいたのでしょうか。
そして高山右近もこの場に座って茶の湯を楽しんだのかもしれません。
床の間に掛けられているお軸は、高山右近直筆の「日本訣別書状」です。
高山右近が国外に追放される際に記したものだそうです。
細川ガラシャの夫に宛てて書かれたものです。
キリシタン小紋
本行寺にはキリシタンにまつわる品々が多数のこされています。
そのひとつが、「キリシタン小紋」です。
こちらはキリシタンの女性が着たとされる小紋の着物です。
小紋ですので、遠くから見ると何が描かれているかはわかりませんね。
近くで見ると、物語が描かれているのです!
「マタイ伝」キリスト誕生クリスマスの場面で、「聖書の絵物語」が巧みに表現されています。これは必見です!
混天儀、という今でいう天球儀も見せていただきました。
本行寺住職・小崎学円氏
こちらは2年前の写真になります。
のとルネアンバサダー木戸奈諸美と、本行寺住職・小崎学円氏です。
山の寺寺院群探索で訪れた私たちに面白く飽きさせない話術で手厚く説明してくださり、すっかりファンになってしまいました。
ジーパン和尚の異名も
小崎住職の話術は巧みで、法話がユニークで楽しいと人気です。
難しい言葉を使わないことをポリシーとしているそうです。
確かに、私たちに説明していただく際もわかりやすく、堅苦しくない口調が親しみを感じます。
「ジーパン和尚」の異名は、“堅苦しくない”をイメージしたものだそうですよ。
なるほど!!
小崎住職は、堅苦しくないだけではなく、心の奥に届くような温かいお話をされます。
ほっこりした気持ちになりました。
本行寺 高山右近像
本行寺の外には、高山右近像があります。
小ぶりな像ですが、存在感の大きな像です。
馬で来た方のために
何気に気になったこのポイント!
馬で来た方のためにつなぐ馬緤場がありましたよ。是非、お使いくださいとのことです。
ちなみに住職は自家用車で境内に入っていましたよ。馬は飼っていませんでしたよ。
【本行寺(ほんぎょうじ) 詳細】
住所:石川県七尾市小島町リー134
電話番号:0767-53-0799 本行寺
拝観料:無料(拝観には予約が必要)