国の有形文化財に登録されている飯田家「懐古館」は、見るに値する旧家のお屋敷です。
※令和6年能登半島地震後、2024年9月13日より再開されました。ぜひお立ち寄りください!
Contents
七尾市・城山の麓にある懐古館(かいこかん)
七尾市が誇る城山(じょうやま)は、かつて巨大山城といわれた七尾城が存在したところであり、語り尽くせぬほどの歴史と文化をもった地です。
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懐古館は、その城山の麓・古屋敷町にあります。
七尾城主・畠山一族がはじめて館を構えた町
古屋敷町……町名からして、古い文化の雰囲気がありますね。
城山に存在した七尾城の城主・畠山氏の一族が初めて館を構えた土地と言われています。
懐古館のとなりには、七尾城史資料館があります。
七尾城址・本丸跡へ向かう際にも、この古屋敷町がスタート地点となることが多いようです。
七尾城跡案内地図の看板は、この懐古館と七尾城史資料館の前に設置してあります。
約200年前に建てられたという、飯田家。そちらが懐古館として公開されています。
国の有形文化財 懐古舘飯田家
荘厳な茅葺き屋根のお屋敷です。
加賀藩肝煎を努めた飯田家
肝煎(きもいり)、とは、「心を込めて世話をする、手をかける」を意味しているとのこと。 江戸時代には、村役人の役職名として存在していました。
飯田家は、加賀藩の肝煎を努めた家であると、懐古館の説明に記されていました。
懐古館 飯田家 に掲示してある概要を記載します。
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管理者 公益財団法人七尾城址文化事業団
この家は約二百年前に建てられた加賀藩肝煎(庄屋)を努めた家であります。
この家の間取りは能登民家の典型的なもので、ケヤキ、スギ、アスナロ、マツ、クリ等を使っています。
軒下の欄間は近江八景、座敷の「おきな」「おうな」の欄間は石動山の寺院五十八坊の中心であった東林院のもので古雅な趣を秘めています。
広い庭園の石は総て昔日を語る七尾城武家屋敷の基礎石であり、当時の井戸等も残されています。
庭の苔は種類が豊富で四十種類以上もあり、石川県低地の代表的な苔植物園ともい言われています。
当家は、七尾城址の本丸を始め主要な旧蹟の保存管理に努めて来ました。
ここ古屋敷町は畠山一族がはじめて館を構えたと言われるゆかりの土地で、土中から中国・朝鮮の陶磁器等も発掘され、旧家のたたずまいの中に歴史の重い吐息が感じられます。
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まず、土間があり、すぐに畳の間となっています。
土間をあがるとすぐに広い囲炉裏の間となっており、これは能登の民家として典型的な造りだそうです。
太い梁や柱です。当時勢力のあった庄屋らしい構えです。
とても格式の高い家だったのでしょう。
当時使われていたお道具の展示
囲炉裏の間の奥の部屋には、当時使われていた古い道具が展示されています。
古道具が好きな方も楽しめる展示です。
お道具一つ一つに歴史・文化を感じます。
石動山縁りの欄間「翁媼(おきな・おうな)の図」
懐古館の仏間にある欄間は、両面彫りとなっています。
つまり、表と裏の図柄が違うのです!
写真では一面のみ掲載しますが、もう一面は、懐古館へ訪れて、直接見てみてくださいね。
仏間から見えるお庭の景色も素敵です。
当時の古井戸
庭園には「隠し井戸」なる石碑が。この日は窓から垣間見ただけですが、
当時の古井戸が遺されているようです。なにやら興味深い話もあるようなので、
後日、また取材に行ってこようと思います!
格式あるお部屋です。
上杉謙信の「九月十三夜陣中作」
詩吟としてとても有名な上杉謙信の「九月十三夜陣中作」が掲げられています。
七尾市といえば七尾城。七尾城といえばこの詩、という方もいらっしゃいます。
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天正5年(1577年)上杉謙信公は七尾城に入城し本丸より七尾湾を見下された。
おりしも九月十三夜の月に照らされた七尾湾は、聞きしに優る美しい風景であったので、謙信公は深く感動され「九月十三夜」の詩を作られたと言う。
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当時、飯田家の慶事に使用されていたお道具たち
当時、飯田家の慶事の際に購入し、使われたものの展示があります。
ここ、飯田家で実際に使われていた、と知ると目に浮かぶように飯田家の歴史を感じます。
懐古舘の周りに、雰囲気のある小径
当時の飯田家の人が着物姿で歩いていても不思議ではないような、小径です。
人里離れた雰囲気のある、苔むした茅葺き屋根、ところどころ倒されたような竹が点在する竹林……このまま流行りのアニメのロケ地に使えそうな雰囲気です。
七尾の歴史、文化を身近に感じることのできる懐古舘 飯田家。
七尾城本丸跡や、城山展望台へいらした際にはこちらにも是非寄っていただきたいと思います。
【懐古館 飯田家 詳細】
住所 石川県七尾市古屋敷町タ部8番地の6
電話 0767-53-6674
開館時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)・祝日の翌日・冬期休館(12月11日~3月10日)
使用料 入館料/一般200円(団体20名以上160円)、高大生160円(団体20名以上120円)、中学生以下は無料