明治29年創業の老舗の和菓子屋「お菓子処花月(かげつ)」【七尾市 一本杉通り】

のとルネアンバサダー、グルメ担当とっちです!

七尾を愛し七尾を語る、お菓子処だけではない魅力をもつお菓子処花月(かげつ)さん。

きっとお菓子を買う以上のものをお土産として持って帰ることができるでしょう!

 

一本杉通りにある明治29年創業の老舗

七尾市で観光処として有名な「一本杉通り」。その通りを進むと、老舗貫禄のある菓子処があります。

駐車スペースも広く取ってある間口は丁寧に水打ちがしてあります。

人を招き入れる場所に打ち水がしてあると、埃っぽさがなく、清々しい気分になります。

お菓子処花月さんの女将・通文子さんが毎朝夕、打ち水をしているそうです。

気持ち良く暖簾をくぐることができるようにと、お店に入るところからの心遣いです。

花月の三大銘菓

花月さんの代表銘菓と言われるお菓子をご紹介しましょう。

花月さんでは、「松林」、「袖ヶ浜」、「でか山まんじゅう」を三大銘菓としています。

長谷川等伯の代表作にちなんだ銘菓「松林」(しょうりん)

日本人なら誰でも知っている長谷川等伯の「松林図屏風」。

その長谷川等伯は能登・七尾出身です。

花月さんは、今から45年前に長谷川等伯にちなんだ銘菓を作り出そうとしていました。

今でこそ抜群の知名度と人気を誇る長谷川等伯ですが、当時は知名度は左程ありませんでした。

しかし七尾出身の素晴らしい絵師である、と長谷川等伯に着目した花月さんは先見の目がありますね!

45年前、花月さんは東京国立博物館館長の元に足を運び、「七尾の和菓子屋として長谷川等伯の松林図屏風にちなんだお菓子を作る」ことの許可を得たそうです。

その後、長谷川等伯は徐々に注目されるようになり、今現在、全国で絶大な人気を集めるようになったそうです。

そうして花月さんで作られた「松林」は、松林図屏風に描かれる黒い松、そして木の皮をイメージしてそれらを最上質の丹波大納言と厳選された寒天によって表現しました。

「松林」を並べると本当に松林図屏風のようです。

「松林」は2本入り、5本入り、10本入りと用意されています。

お土産でまとめて求めていただいてもよいですし、小分けで求めることもできます。

パッケージはあの美しい松林図屏風です。

七尾のお土産に、最適ではないでしょうか。

天皇陛下への献上菓子「袖ヶ浜」(そでがはま)

「袖ヶ浜」は花月さんの明治29年創業時からある落雁のお菓子です。

大正5年、昭和33年、平成8年と、天皇陛下が石川県に御来訪の際に献上菓子として御召しになっている、とても由緒のある銘菓です。

天皇陛下献上の際は、花月さんの床の間でお祀りをしてから天皇陛下の元へ運ばれたそうです。

こちらは昭和33年の献上の際のお祀りの様子です。

真ん中に写られている学生は、花月さんの当代店主の若かりし頃だそうですよ。

 

口に含むと上品な甘さで口の中でとろけるような落雁。

慶祝菓子として祝事のお菓子として地域にも人気のあるお菓子です。

七尾といえばでか山!「でか山まんじゅう」

七尾で行われる「青柏祭(せいはくさい)の曳山(ひきやま)行事」は、「でか山」と呼ばれる曳山が出合う盛大な祭礼です。

国指定重要無形民俗文化財に登録されています。

花月さんの創業88周年の記念に、このでか山まんじゅうを制作されたとのこと。

「でか山」は1000年の伝統があることから、紅白を基調としています。

でか山まんじゅうの中の餡は白あん、そしてさらにその中央には梅餡があります。

餡で紅白を表現しているのですね!

餡の工夫に、花月さんの思いがたくさん込められているのがわかりました。

そしてでか山まんじゅうの皮は、お醤油の味。

「でか山」というと、祭事として各家庭では「ごっつぉ」と呼ばれるご馳走がふるまわれます。

この「ごっつぉ」では、煮物を作ることが多いので、煮物をイメージしたお醤油ベースの皮にしたそうです。

お醤油ベースの皮と、紅白の綺麗な白餡・梅餡は相性抜群で、とってもよく合います!

おめでたいおまんじゅうなので、祝い事の贈り物にも最適ですね。

美味しい上にとても話題性のあるでか山まんじゅうです。

能登物産コンクールで最高賞の金賞受賞!「七尾やき」

花月さんでは三大銘菓と呼ばれるお菓子の他にも注目してほしいお菓子がたくさんあります。

この「七尾やき」。まず、パッケージに目が惹かれました。

波模様に鮮やかな朱の帯。

そして中にある七尾やきの焼き皮が見えます。この七尾やきの模様は海の波のようです。

とってもおいしそうですね。

こちらは、七尾港開港100周年を記念して制作されたお菓子だそうです。

1998年の能登物産コンクールでは、最高賞の金賞を受賞された銘菓です!

七尾市のマスコットキャラクターとうはくんの洋菓子「とうはくんさぶれ」

和菓子の多い花月さんですが、時折、洋菓子を求められることもあるそうです。

そこで、七尾市のマスコットキャラクター「とうはくん」と筆を模したお菓子を制作したとのこと。

クッキーをパイ生地でくるんで焼き、筆先には竹炭の粉末が入っているチョコレートを添え、墨に見立てています。

とうはくんのキャラクターは、七尾市の商工観光課に許可を得て使用しているそうです。これも七尾の発展につながれば、と花月さんの思いが込められています。

女優・野際陽子さんとのコラボレーション!「花嫁のれん」

フジテレビ系列で放映されていた人気の昼ドラ「花嫁のれん」に出演していた野際陽子さんが制作に関わっているとのこと。

花嫁のれんとは、婚礼に用いられる特別な暖簾(のれん)です。
婚礼当日、婚家の仏間の入口に掛けられ、花嫁はそれをくぐって仏壇参りをした後、結婚式に臨むという婚礼儀式です。

七尾に「花嫁のれん館」がオープンした記念に、このお菓子「花嫁のれん」は制作されました。

花嫁のれん館の詳細はこちら↓↓↓

「花嫁のれん」のパッケージは、花月さんの女将・通文子さんが実際にお嫁入りした際の花嫁のれんをデザインしたものだそうです!

とても美しい花嫁のれんですね。このアイデアは野際陽子さんが出されたそうです。とても華やかなパッケージです。

中のお菓子は、クッキーに小豆を入れたクリームサンド。

婚姻など、めでたい事には小豆を使用する文化から、小豆入りとしたそうですよ。

のとルネのオススメ!大豆飴

個人的に、とてもオススメなのがこの「大豆飴」(だいずあめ)です。

大豆飴とは、七尾市の名物のひとつで、大豆の粉に水飴などを混ぜて作られた柔らかいお菓子です。

口どけもよく、大豆は飽きのこない味です。

どこか懐かしい風味の大豆飴は七尾に長く伝わるお菓子です。

パッケージも可愛らしくお洒落!大納言抹茶・柚子・ドライフルーツシナモン味と3種類の味を楽しむことができます。

一口サイズでおやつにも最適ですが、なんとビール等アルコールにも合うのは驚きです。

一度試してみてくださいね。

明治時代に建てられた和菓子工場だった建物

花月さんの建物は、明治時代から昭和64年まで和菓子工場だった建物です。

1階手前に店舗、奥は和菓子工場、二階は住居と住み込みの職人さんたちの住まいの部屋、など古い歴史を経てきた建物です。

建物の中は、奥行きが長くなっています。花月さんの敷地は、奥までなんと50mあるそうです。

奥につき抜けると裏の道になるそうです。

町屋造りが並ぶ一本杉通りの町家は、隣と隣が接しています。ですので、光を採ることができるのは正面と、そして中庭になります。

建物の中から見る中庭は、とても鮮やかに見えます。

欅の一枚板は必見!明治創業時の看板

こちらは明治29年創業時の看板だそうです!

重厚な欅(けやき)の一枚板で作られています。この木目から見ると4000年はたっている欅だそうです。

磨きあげられ、現在もピカピカの看板は必見です。

七尾町屋造り

建物は登り梁という造りとなっています。

建物の中ほどには囲炉裏があり、その上を見上げると8mの吹き抜けとなっています。

囲炉裏の周りは、たくさん人が集えるようになっています。

この囲炉裏では、11~3月は炭をおこしており、五徳を置いて鉄瓶をかけ湯を沸かしています。

当時の暖簾も掲げられています。

店内には、七尾に由来するお菓子が並びます。

どれをとっても「七尾のお土産」に最適です。ゆっくり選んでくださいね。

のとルネのポスターも置いていただいています。

七尾の歴史、文化にふれあえる「語り部処」

花月さんのある七尾市一本杉通りでは、「語り部処」が勧められています。

語り部処とは・・・見る観光ではなく、ふれあい観光です。「語り部処」というのれんが掲げてあるお店を訪れて、

主人、女将さん、従業員、おばあちゃんの目線での語りを聞き、楽しんでいただき、普通の観光ではなかなかできない、

思い出深い旅が味わえます。(一本杉通り公式サイトより抜粋させていただきました)

観光客の方々は、ただお土産のお菓子を買うだけではなく、この「語り部」によって、七尾に関する文化、歴史の話を聞いていくことが多いそうです。

大変喜ばれているそうですよ。地元の私でも、とても興味深い話をたくさん聞くことができました。

季節の行事を大切にしている女将

語り部も含めて一通りのお話を聞き、花月さんは七尾のことをとても愛しており、ご夫婦で日々お菓子のこと勉強しておいでると感じました。

この取材した日は中秋の名月の日でもあり、花月さんでは「月見だんご」が売られていました。

こちらの「月見だんご」はもちろん季節限定です。

とても人気があり、早々に売り切れてしまったそうです。

取材中に何人ものお客様がこの「月見だんご」を求めて来店されていました。

来年は、予約をして買い求めるといいですね!

店頭には、名月にふさわしいススキが活けられていました。

名月と言えばもうひとつ銘菓がありました。

七尾には城山という山があります。そこから昇る月をイメージしてつくられた「城山の月」。

偶然ですが、取材したこの日は中秋の名月の日であり、まさに城山の月の景色を見ることができました!

この日にいただく「城山の月」。風情があってなんとも贅沢な気分になりました。

季節を味わうって、こういうことなのですね。

(城山から昇る中秋の名月、七尾市大谷川沿いにて。)

歴史ある建物の店内でお抹茶を

      花月さんでは、季節の上生菓子付きのお抹茶をいただくことができます。(680円税別)

         

 

スペシャルアンバサダー、山崎至の動画もあります。是非ご覧ください。

 

話題も商品も盛りだくさんなお菓子処花月さん。観光の際には是非お店を訪れてみてくださいね。

 

【お菓子処花月 店舗詳細】

住所 石川県七尾市一本杉町45

電話 0767-52-0706

営業時間 8:30~18:30

定休日 火曜日

 

シュークリームが大好評の、花月翠適庵(すいてきあん)もこちらからご覧ください。

お菓子処花月で和菓子作りを体験の様子はこちらからご覧ください。


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