2023鑑賞のご参考に!「奥能登国際芸術祭2020+」レポート【珠洲市】

のとルネアンバサダー、イベント担当るっちです。

2021年に開催された「奥能登国際芸術祭2020+」の様子をレポートします。

能登半島の最先端にある珠洲市。「さいはて」とも呼ばれるこの地で開催された「奥能登国際芸術祭」。

初回は2017年秋に開催され、2回目は2020年秋開催の予定でしたが、新型コロナウィルス感染症流行の影響で奥能登国際芸術祭2020+として2021年に開催されました。

奥能登国際芸術祭2023は3回目となります。

「奥能登国際術祭2023」は2023年9月23日より始まります。

「奥能登国際芸術祭」とは

珠洲(すず)市全域を舞台とし、国内外のアーティストが、奥能登の自然や祭り、食など、生活文化に根差した作品・空間をつくる芸術祭です。

「奥能登国際芸術祭2020+」は、2021年10月1日~11月5日まで開催されました。

私は終了直前の11月2日に行ってきましたよ。

1日しか時間をとることができなかったのですが、

珠洲市全域にわたる、たくさんの作品を効率的に鑑賞するために、「すずアートバス」を利用しました。

「奥能登国際芸術祭2023」でも運行しますので、是非ご参考に!

作品を効率的に鑑賞するには

私が実際に行った手順をご紹介します。

その1 すずアートバスを予約

「すずアートバス」とは、

珠洲市内の広範囲に展示されている作品を鑑賞するために用意された、ガイド付きツアーバスです。

珠洲のことを知り尽くした地元ガイドさんが同乗し、豊富な話題と共に案内してくださいますよ。

「すずアートバス」は要予約ですので、公式ホームページより予約しました。

コースは4つありました。

・Aコース(三崎~日置~大谷方面)午前運行

・Bコース(正院~蛸島~三崎方面)午前運行

・Cコース(飯田~宝立~上戸~直~正院方面)午後運行

・Dコース(飯田~若山~大谷方面)午後運行

午前と午後各2コースです。

午前は9時頃~12時頃、午後は14時頃~17時頃と

各コース所要時間は半日いっぱいかかりますので、1日だけだと2コースしかめぐることができません。

ですので、私は

午前は、Aコース(三崎~日置~大谷方面)

午後は、Cコース(飯田~宝立~上戸~直~正院方面)

を選びました。

もう1日あれば全コースを堪能できたのでしょうが、残念です!

その2 「道の駅すずなり」で受付

「道の駅すずなり」までは自家用車で行きました。

そこで「作品鑑賞パスポート」を購入します。

「作品鑑賞パスポート」があれば全作品を鑑賞することができますよ。

作品鑑賞のために、QRコード付きのリストバンドをいただきました。

そして予約しておいた「すずアートバス」を確認し、受付します。

乗客は、バスのガイドさんに、作品鑑賞パスポートを預けます。

各作品会場での入場受付は、ガイドさんがまとめてしてくださいます。

作品鑑賞パスポートはスタンプラリーにもなっていますが、

そのスタンプももれなく押印されるよう管理してくださっていましたので、押し忘れがなくて安心ですね。

奥能登国際芸術祭をすずアートバスで

さぁ、すずアートバスに乗りこんでいざ出発です!

Aコース(三崎~日置~大谷方面)

午前は、とくに見たい作品が含まれたAコースを選びました。

能登半島最先端の岬を巡るコースで、海岸線沿いに点在する作品を鑑賞することができるコースです。

10作品を鑑賞できます。

時間は9時15分~12時36分となっています。

作品番号・作者名・展示場所と記載しています。当時の公式ガイドブックやパンフレットをお持ちの方は参考にしてみてくださいね。

車中では、ひとつひとつの作品や、その地にまつわるお話をガイドさんがわかりやすく説明してくださいます。

このお話をきいた上で作品を鑑賞すると楽しさ倍増なんですよ!

ガイドさんのお話も交えながら作品の感想と説明をさせていただきますね!

●出発 9:15 道の駅 すずなり

●10.カールステン・ニコライ⇒Autonomo@旧粟津保育所

2019年に閉所した保育所です。シンとした空間に音が響いています。どこか単純なおもちゃのようであり、しかし空間と音が計算されたような感じもしました。単純なのに、飽きずに見ていられます。

作品とは別部屋に作家さんが選書した仕掛け絵本がありました。

●9.キジマ真紀⇒omaments@狼煙の船小屋

ここの地名である「狼煙」は「のろし」と読みます。昔、オオカミの糞を燃やして煙をあげると長くまっすぐ立ち上ったそうです。だから「狼」の「煙」と書くのですね。遠く離れた地に連絡する手段として用いられていたそうです。

ここは、能登半島の先端も先端。この地点は、能登半島の内海(内浦)と外海(外浦)の境目でもあります。

かつて船小屋として使われていたこの会場には、地域の人々が思い思いに描いたオーナメントが所狭しと吊り下げられています。

なつかしさを感じるモノばかりです。

●7.トゥ・ウェイチェン⇒クジラ伝説遺跡@旧日置小中学校グラウンド

珠洲市に限らず奥能登では、小学校と中学校が同じ建物内にあることが多いそうです。

児童の人数が少ないからでしょうかね。

ここでは発掘遺跡のような作品が!実際に発見された、発掘されたというニュースが施設の片隅で流れています。これはもちろんフェイクニュースで、このニュース画像も作品の一部です。

しかし、本物だと信じてしまうほどにリアルなクジラの骨!本当に流れ着いたかのような姿でした。

●8.さわひらき⇒幻想考@旧日置公民館

個人的に、一番見たかった作品です!

この作品、音と映像に惹き込まれました!ずっと見ていたくなり、バスの集合時間も忘れかけました。密閉性の高い空間で、まさに異空間でした。

●5.蓮沼昌宏⇒きのうら、きのうら@木ノ浦ビレッジ

ハンドルをまわすとパラパラ漫画のように動く動画鑑賞装置。この装置の名称は「キノーラ」だそうです。そしてここは「木ノ浦」。……ダジャレですね(笑)

作者はここ木ノ浦でキノーラを使い、珠洲にまつわるアニメーションを見せてくれています。

●6.原広司⇒Identitication-同一視すること@木ノ浦海岸

2015年に公開された映画『さいはてにて』の舞台となっている場所です。

この海岸の美さといったら!!

岬が折り重なったように見える海岸線の景色、その先の水平線、透明な波。

こんなに美しい海ははじめてでした。

●45.金氏徹平⇒tower(SUZU)@高屋港

日常の中で非日常を想像する楽しみを感じる作品です。

港にある大きな大きな製氷施設に現わされた作品。この建物が製氷施設だなんて思えないし、

製氷施設がこんな立派な作品の舞台になるとも思わなかった!!

そんな驚きが楽しめる場所でした。

●4.スボード・グプタ⇒私のこと考えて@笹波海岸

ここは能登半島の外浦。残念ながら海洋漂着物(海洋ゴミ)が多い場所です。

その海洋漂着物をバケツにいれてひっくり返したかのような作品!

何気に強い意志を感じるオブジェでした。

●46.アレクサンドル・コンスタンチーノフ⇒珠洲海道五十三次@バス停(笹波口、能登洲崎、珠洲川尻、正院)

珠洲市内数か所に現れた作品。これはバス停です。

この作品は前回からの継続展示作品です。奥能登芸術祭開催期間外でも、普段から見ることができる作品です。ドライブしていると、目に付くと思いますよ。

作者は2019年に亡くなられたそうです。

●3.キムスージャ⇒息づかい/息づかいー旗@鰐崎海岸

 

バスを降りて、まずは、こじんまりとした小屋の前を通ります。

中を見るとはめ込んであるガラスを通して光が自在に変化します!

この日は晴れたり曇ったりの日でしたので、アートが濃くなったり薄くなったり……と不思議な作品でした。

そして海岸へすすむと……大きな大きな鏡!

そばで見ても面白い、遠目から見ても面白い。立つ場所によって見えるものが違います!

鏡ひとつでこんなに楽しめるなんて!見事な大きな鏡面でした。

●到着 12:36 道の駅 すずなり  

ほぼ時間通り、お昼には道の駅すずなりに帰ってきました。

ここではご当地のお弁当「スズ弁」(この時期だけの限定販売)を購入しようと思ったのですが、観光客が多く売り切れ!!

しかし、近場に飲食店がありますし、道の駅のお隣にはコンビニもありますので大丈夫です。

道の駅で売っていた珠洲塩を使ったソフトクリームはしっかりいただきました!

Cコース(飯田~宝立~上戸~直~正院方面)午後運行

午後は、廃線となった「のと鉄道能登線」沿線を辿るコースを選びました。

鉄道好き・廃線好きにはたまらないコースです!

15作品楽しむことができます。

時間は13時50分~17時15分となっています。

お昼ご飯をゆっくりとって休憩をして午後からの出発に備えます。

●出発13:50 道の駅 すずなり

●34.河口龍夫⇒小さい忘れ物美術館(2017)@旧飯田駅

真っ黄色の世界!

そして廃駅、廃線。どこか寂し気な風景に「忘れ物」というキーワード。

当時の駅の賑わいを想像せずにはいられませんでした。

●40.チェン・シー⇒珠洲のドリームキンダーガーデン@旧柏原保育所

今は使われなくなった珠洲の保育所。珠洲に暮らす子どもたちの居場所だったところです。

当時の可愛いたくさんの声が聞こえてくるようでした。

●41.サイモン・スターリング⇒軌間@旧南黒丸駅

ここには鉄道がありました。

この作品はかつて「のと鉄道」に働いていた人たちにささげるオマージュだそうです。

静かな作品ですが、なぜか胸打たれるものがありました。

●39.ディラン・カク⇒「😂」旧鵜飼駅

ここも廃線。かつてのホームに、半透明の人……ではなく、猿です。

半透明の猿が前屈みになってスマホを見てますよ。

タイトルは泣き笑いしている顔文字です。

何かを揶揄しているようなタイトルだと思いました。いわずともメッセージ性の強い作品だと感じました。

●38.佐藤貢⇒網の小屋@春日野の蔵

海の近くのこの小屋に、たくさんあった網を利用した作品です。

全て、網です!圧倒的な存在感を放っています!

●37.シモン・ヴェガ⇒月うさぎ:ルナークルーザー@柳田児童公園

児童公園にある、これまた遊園地のような乗り物。

子どもたちが喜びそうな乗り物。大人も童心に帰るような作品です。

●36.ラックス・メディア・コレクティブ⇒うつしみ(2017)@旧上戸駅

作者は、この駅から見える田んぼの景色が気に入ったそうですよ。

田んぼの中にポツンとある駅に、さらに重なるようにして空に向かって建つ駅舎。

夜はライトアップされ、まるで銀河鉄道の終着駅のようです。

●35.石川直樹⇒奥能登半島/珠洲全景@北方の倉庫

珠洲のリアルな空気感を伝える写真が展示されています。

風景、人、歴史・・・ここで珠洲のすべてを観ることができました。

●26.尾花賢一⇒水平線のミコ@本江寺の倉庫

倉庫の中を進んでいくと次々と大きな絵が現れ、ある物語となっていました。

物語の中を歩いているようでした。波にのまれそうな感覚をおぼえました。

●20.大岩オスカール⇒植木鉢@旧正院駅

廃駅に、様々な絵が描かれたタンクの中に土が盛られ、様々な木が植えられています。

植木鉢になっているのはかつての工場で使われていたタンクだそうです。

廃棄物と生きた木。再生という意図を感じました。

●21.クレア・ヒーリー&ショーン・コーデイロ⇒ごめんね素直じゃなくて@旧喫茶アンアン

レトロな喫茶店の中に、奇抜なオブジェ!よ~く見ると、古い漫画雑誌が利用されているのです!大きなオブジェにみんな顔を近づけて見ている様がなんだか面白く感じました。

●22.盛圭太⇒海図@旧大工倉庫

広い壁に描かれた絵……はなんと、よく見ると糸!!

古着をほどいた糸で表現されている作品です。

●23.ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ⇒再会@旧瓦工場


 少し離れた場所からも見える煙突。ここは能登瓦といって真っ黒で雪に強い瓦を作っていた瓦工場だった場所です。能登瓦は衰退しましたが、工場は当時のままのようです。

ここに音の仕掛けがあり、その音は少し離れた場所からも聞こえました。

人影はまったくないのに音があるだけで、まるでいまも操業しているかのようでした。

●到着 17:15  道の駅 すずなり

陽が傾きかけた頃、ツアーは終了しました。

すずアートバス ツアーを終えて

すずアートバスによるツアーで、

1日で46作品中25作品を鑑賞することができました。

とても効率よく、たくさん鑑賞でき、心がいっぱいになる!そんな大満足の1日でした。

道に不慣れな方や、車の運転で疲れるという方には「すずアートバス」をおすすめします。

本当は珠洲市に一泊し、翌日も残りのB・Dコースを巡ることが出来れば理想的でした。

珠洲の景色は美しく、ガイドさんのお話による珠洲の歴史は大変興味深いものでした。

また、珠洲に来たくなります。

どこか寂しげなのに新しい文化も感じるふしぎな珠洲。

2023年9月23日から行われる「奥能登国際芸術祭2023」が楽しみで仕方ありません。


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