のとルネアンバサダー、北山里江です。
塩づくりの歴史を紹介する資料館や塩づくりの見学や海水撒きの体験ができる道の駅すず塩田村をご紹介します。
輪島市街から珠洲へ向かう海沿い道路、国道249号線に「道の駅すず塩田村」はあります。
輪島方面から来た場合の写真です。
大きな看板が立っていますので一目でどこにあるかわかりますよ。
Contents
道の駅に入って見ましょう
道の駅の入り口には、世界農業遺産と書かれた大きな看板があります。ここ能登は2011年に世界農業遺産に認定されました。
玄関を入ると「塩蔵市場」という売店になっています。
この道の駅で作られた塩、この塩を使った菓子、魚、珪藻土コンロなど珠洲の特産品を販売しています。
メインはやっぱり、すず塩田村で作られた塩や天然にがりですね。ずらりと並んでいましたよ。
売店でのお支払い方法は、現金、クレジットカード、スマホ決済、交通系カード決済があました。
塩づくりの歴史を伝える資料館
道の駅すず塩田村は、能登半島に500年以上前から続く能登の代表的な技術である揚げ浜式製塩づくりを紹介しています。
資料館は、塩づくりの歴史や世界の塩の文化を紹介する施設となっています。体験用の塩田もあり、塩づくりの体験ができます。
また、塩ができるまでの工程作業を見学することもできます。
塩が意外なところに使われいることをこちらの展示で初めて知りました。
世界の塩についての紹介です。
塩づくりの1日の工程を説明しています。
売店と展示室の間に休憩室があり、こちらから日本海を眺めることができます。
揚げ浜式とは
目の前に広がる日本海から海水を汲み上げ、砂浜に整備された塩田に撒きます
太陽の熱で結晶化した塩が付着した砂にさらに海水を注ぎ濃度の高い塩水を作ります。
その塩水を釜で長時間炊いて水分を蒸発させることで塩になります。
この伝統技法の「揚げ浜式塩田」の様子を表すジオラマがありました。
浜士(製塩責任者)から塩づくりのお話を伺いました
登谷良一さんは、浜士(はまじ)といわれる製塩責任者です。浜士となるまでには「潮くみ3年、潮まき10年」と言われるほど長くて厳しいものだそうです。
登谷さんが実際に塩づくりの仕事に携わるようになったのは、1996年からだそうです。それまでは、別の仕事をされていました。
能登半島最北端である珠洲市の仁江海岸(にえかいがん)は、日本で唯一「揚げ浜式製塩」を受け継いでいる所です。
この辺りは農家塩田といわれ、昔は106軒の塩づくりをする家がありました。家族みんなで塩づくりをしていました。
登谷さんも幼少の頃は手伝いで薪を拾いに行っていたそうです。
揚げ浜式の伝統技法は、まず海から海水を汲み上げることです。
これが、海水を汲むための桶です。潮汲みは、4月終わりから10月10日までという事です。
海水を汲み上げるために海岸へ降りてみました。
海岸は、ごつごつした岩場でした。今では写真のように整備され歩きやすくなっていますが、昔はとても大変だったことが伺えます。
この汲み上げた海水を撒く塩田がこちらです。
塩釜を見学しました
運が良く釜に火が入っている時に訪れたので、炊き上げているところを見学することができました。
釜屋といわれる小屋に入って行くと、真ん中に大きな塩釜がありました。この釜には、3石3斗3升(約600ℓ)のかん水が入るそうです。この釜で、塩分濃度が約23%まで煮詰めていきます。時間にすると約6時間かかります。これを荒炊きと言います。
荒炊きしたかん水をろ過し一旦冷ました後、本炊きに移ります。これは16時間ほどかかります。荒炊きと本炊きを合わせて22時間かかることになります。その間は、寝ることもできません。とても大変な仕事です。
このように、登谷館長は釜の火加減を見ながら絶やすことなく、薪を入れていきます。
本炊きが終わってできた塩を、釜から取り出し貯蔵庫に入れます。
貯蔵庫に塩を入れておくと、上の方から徐々に苦汁が下へ落ちていきます。
苦汁が落ちていくと、積みあがっている塩の色が上の方から順に白く綺麗な色になっていきます。
釜屋の入り口付近に、苦汁の入った容器がありました。海水、荒炊き、本炊き、苦汁と並んでいて、それぞれを舐めさせて頂きました。
塩分濃度の違いをはっきりと感じることができます。
のとルネアンバサダーの北谷さんがしょっぱい顔をしていますよ。
◇たくさんのお話を伺った後、塩にまつわるエピソードをお聞きしました。
プロ野球広島東洋カープの黒田博樹投手が200勝をかけた試合が石川県金沢市の球場で行われたそうです。その時、富山市民球場で試合前の調整をすることになりました。そこで、勝利を願いマウンドを塩で清めるため、ここ「すず塩田村」で作られた塩を撒いて欲しいと依頼があり、登谷館長は富山市民球場まで行き塩撒きをされたそうです。
残念なことに、金沢の試合で広島東洋カープは勝利を収めることはできませんでした。
まさに手塩にかけられて作られた塩
早朝から海水を汲み上げ、塩田に塩を撒き、塩田での作業から昼夜かけて釜炊きをする大変な重労働であることを知り、まさに手塩にかけられた塩であることを感じることができました。
すず塩田村で作られた塩は、これだけ手間を惜しまず作られていますので、しょっぱいだけではなくその中に旨味も甘さも感じられるミネラルを多く含む塩です。
この塩でおにぎりをするときっと最高の味がすることでしょう。
塩釜は道の駅の入り口の手前に展示してあります
長年働いてくれた平釜を展示してありました。この平釜は70年間使用され、現在使われている釜と世代交代しました。
釜の大きさは、「直径185㎝、深さ31㎝、重量980㎏」と案内板に記載されていました。この使いこまれた平釜を是非近くで見てください。
塩づくり体験ができます
5月から9月までは、塩づくりの体験ができます。予約制となっています。
体験コースは、ミニ体験や本格的な体験まであり、コースによって料金が変わり、1人500円~3500円となっています。
体験に関するお問い合わせは、すず塩田村へ直接お問い合わせください。
自分で作った塩を持ちかえることができますので、記念になります。自分で作った塩で料理をすれば格別の味になること間違いなしですよね。
すず塩を使ったソフトクリームが美味しい
売店入口に、塩ソフトクリームの旗があったので買わずにはいられませんでした。
日本海の海を眺めながら食べるソフトクリームは、すごく美味しかったです。
塩は、私たちの生活の中で切っても切れない関係だと思います。
その塩が、昔も今も変わらない技法で、伝統を受け継ぎ作られていることを知っていただける場所となっておりますので、是非お越しになってください。
口コミ情報
のとルネスペシャルアンバサダー、山﨑至です。
今回僕は、すず塩田村で「塩づくり体験」をさせてもらいましたので、その様子をお伝えしたいと思います。
天気も良く青空がとても綺麗で気持ちの良い日でした。塩田も結構広く驚きました。。
まずは、実際に塩をつくる「浜士(はまじ)」の人が着る衣装に着替えました。
この格好で海岸へ海水を汲み上げに行きます。桶は「かえ桶(かえおけ)」といい、一つの桶には約36ℓ入ります。このかえ桶を2個、「肩荷棒(にないぼう)」に渡し担ぎます。海水を汲み上げることは結構難しく、海水の入った桶を担ぐとかなりの重さがあり、筋肉痛になってしまいました。でも、とても楽しかったです。
資料館を拝見しました。外国産の岩塩が展示してありその大きさに驚きました。
貴重な体験ができた一日でした。小学生のこどもたちも体験に訪れるとのことです。
昔ながらの製法で作られている塩づくり体験を、皆さんも是非体験しに来てはいかがでしょうか。
【道の駅すず塩田村(株式会社奥能登塩田村) 詳細】
所在地: 珠洲市清水町1-58-1
お問合せ:0768-87-2040
営業時間:3月~11月 8:30~17:30
12月~2月 9:30~16:00
駐車場:普通車30台 大型車6台 障害者用3台 EV充電設備2台
資料館:大人100円 小中生50円