人形宿に人形見に行って「青柏祭・でか山」を100倍楽しもう!【七尾市】

のとルネアンバサダー、イベント担当るっちです!

2023年の青柏祭。でか山は、4年ぶりの通常運行となり、以前は当たり前だった「でか山を見る。でか山を曳く」ことに、改めて喜びを感じる方も多いのではないでしょうか?

祭事の神聖さ、心のよりどころを再認識することにもなりました。

青柏祭についてはこちら

↓↓↓

青柏祭には、でか山が動く前にも楽しめるイベントがあるんです。

それが今回ご紹介する「人形見」です。

地元の方以外は初めて聞くかもしれません。

簡単ではありますが、ご説明させていただきます!

人形見(にんぎょうみ)・人形宿とは?

でか山は、大きいだけではなく、その上に飾られる舞台のストーリーや人形も必見です。

でか山の上に飾られている舞台は、芝居の場面にちなんでおり、でか山3台それぞれ違う場面となっています。

その舞台で飾られる人形は、「人形見(にんぎょうみ)」として、きめられた「人形宿」にてお披露目されます。

人形宿は各町で人形1体につき1軒選ばれ、5月2日朝頃から人形を飾るための舞台設定を行います。

家の中に庭を設えたり、花が活けられたりと工夫されて人形を惹きたてて飾ります。

5月2日夜には各町の人形宿にてお披露目となり、自由に見物することができます。

でか山に上がる前の人形を、間近で見ることができますよ。

一晩のお披露目ののち、人形はでか山という大舞台に上がります。

でか山ごとに違う舞台場面

各町の、でか山各町のでか山ごとに舞台設定は違いますので、もちろんその舞台にたつ人形もそれぞれの役で違います。

地元の人は当たり前のように知っているのですが、知らない方はでか山の上に飾られた舞台をでか山ごとに見比べてみて下さいね。

各町で違う舞台ですよ。

こちらは2022年のデカ山の舞台。公式には青柏祭 出し物 と呼ぶそうです。

【鍛冶町】

■伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ) 床下の場

■人形:荒獅子男之助・仁木弾正・政岡

【府中町】

■義経千本桜 川連法眼館(かわつらほうげんやかた)の場

■人形:源義経・静御前・佐藤忠信

【魚町】

■上杉謙信七尾城入城「九月十三夜」

■人形:上杉謙信・鯵坂長実・山条氏・春日丸

人形見の醍醐味とは

各町のでか山に乗せられる前の、人形が間近で見ることができるのです!

人形を近くでみるとその迫力や綺麗さに心ときめきます。

でか山にのってしまうと、でか山は大きいので人形は細かいところまでは見ることができないのですが、

着物の生地、目元の隈取やお化粧、仕草までじっくりと観察できます。

青柏祭の醍醐味であるでか山は、この人形見から見ていただければ、さらにでか山を楽しめると思います!

2023年 人形見・人形宿

※だし物の解説は出崎哲弥氏による。七尾市作成のパンフレットより引用。

下の地図上の同じ番号の宿に各人形が飾られています。

鍛冶町

 「国盗り物語 稲葉山城の場」

■人形: 斎藤道三・織田信長・濃姫 

「おそらくこの男に、いつか俺の息子らは呑みこまれるだろう」 信長との会見を終えた 「美濃の蝮」 道三はそう洩らした。 戦国の世、斉藤道三は油売りから美濃の領主にまでのぼりつめ 稲葉山城で壮大な国盗りを思いえがく。 隣国尾張の織田信秀と 道三は敵対していた。 娘・帰蝶 (濃姫)を道三は信秀の嫡男・信長 に嫁がせる。 信長は「うつけ者」と噂される。 娘を利用して尾張を 呑みこむ思惑が道三にはあった。 信秀の跡を継いだ信長は意外にも 巧みに尾張を治める。 道三は信長の真の姿を知りたくなる。会見を 持ちかけた。 これに信長は応じる。 道三はひと目で信長の並はずれ た器量を見抜く。 義理の父子は心を通わせた。 三年後、 道三は嫡子 の義龍に討たれる。 道三の救援に出た信長は間に合わなかった。 美 濃攻略に信長は踏みきった。 永禄10(1567) 稲葉山城を攻 め落とす。新たに城を造営、 岐阜城と改めた。 国盗りの夢は信長へと受けつがれた。

 ■人形宿

 ①齋藤道三   神明町/ミナクル

 ②織田信長   山王町/大地主神社 山王閣 

 ③濃姫(帰蝶 )  川原町 / 小西 和平

府中町

 「独眼竜政宗 小田原参陣」

■人形:伊達政宗·豊臣秀吉·愛姫

 「あと少し遅ければ、 その首引きちぎられておったぞ」 潔く控える伊達政宗に豊臣秀吉はニヤリと笑った。 天正18(1590)、天下統一目前の秀吉は小田原の北条攻めに乗りだす。全国の大名は秀吉の出陣命令に応えた。伊達政宗だけ が政情不安を理由に奥羽に留まる。秀吉は再三催促する。 伊達家臣 団は動揺した。 今すぐ参陣して謝るべし。 もう遅い、いっそ同盟関 係の北条氏に加勢すべしと騒ぐ。政宗は動かない。 戦国大名として の意地だけが理由ではなかった。戦局の見極め、秀吉の重臣への根 回し......。 知略を働かせていた。 小田原攻め終盤、ようやく政宗は 秀吉のもとへ向かう。 勝算はあるものの絶対ではない。秀吉は激怒 しているときく。 正室 愛姫は覚悟を胸に夫を送り出したことだろ う。 小田原入り後、あえて政宗は豪胆なふるまいを見せる。 その上 で謁見には白装束で臨んだ。 派手好きの秀吉は命がけの大芝居を気 にいる。 政宗を許した。

■人形宿

伊達政宗   府中町 / 古今佑貴

豊臣秀吉   檜物町/春木憲

⑥愛姫      府中町/印鑰神社社務所

魚町

 「岡崎城入城」

 ■人形:松平元康 石川数正・酒井忠次

 「ひとが捨てた城ならば、このわしが拾ってもかまわぬな」 岡崎城を見上げて松平元康は家臣らに笑いかけた——。 松平元康 (幼名竹千代) は岡崎城から六歳で人質に出された。 そ の後まもなく城主である父が死ぬ。 岡崎城には今川家の家臣が城代 として入った。 身分は城主のまま竹千代は今川家で人質生活を送 る。 元服後も今川義元に臣下として使われる。 石川数正、 酒井忠次 ら側近の三河武士とともに忍従を強いられた。 永禄3(1560)、 桶狭間の戦いで義元は尾張の織田信長にたおされた。 岡崎城は尾張 に近い。 信長を恐れた城代は城を捨てて逃げた。 元康は戦場にい た。この機に岡崎城へ入るよう側近は元康に勧める。 今川の本拠 地・駿府では妻子が人質となっている。 慎重な元康は先に駿府へ岡 崎城の現状を報せる。 自分が代わりに守る、 と入城。 宿願の帰城を 家臣らと喜びあった。 徳川家康に改名した元康は永禄9(1566) 正式に一国一城の主となる。

 ■人形宿

松平元康   魚町/ 縁結び処 時々

⑧石川数正   馬出町/ 寄合い処 みそぎ

⑨酒井忠次    白銀町/原新一

2023年 府中町の愛姫

こちらは、府中町の人形宿「印鑰神社社務所」で見られる愛姫の人形です。

衣裳を担当された森様より写真を提供いただきました。

2022年鍛冶町 人形宿のご紹介

以下、2022年に鍛冶町の人形宿の一軒であった三村様の人形見のレポートです。

ぜひ、ご参考にされてください。

三村様は快く掲載を許可してくださいました。感謝いたします!

人形宿と決まってからは準備がとても大変そうではありましたが、

町をあげての協力で、当日は素晴らしい人形宿となってたくさんの人の心を惹きつけていました。

鍛冶町のでか山の場面は、「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ) 床下の場」 です。

その場面に出てくる「政岡(まさおか)」は、江戸時代に作られた歌舞伎作品であるこの作品の主要登場人物です。

幼い主君の乳母として仕え、わが子の命を犠牲にして幼君の謀殺を阻止するという役です。

その「政岡」の人形が飾られていました。

政岡のこの艶やかさ!うっとりしました!

美しい!

美しく設られた人形宿。

2日前に訪れた時にはこのような舞台になるとは想像もつきませんでした。

大変な準備だったことと思います。

しかし人形宿に選ばれることはとても名誉なことだそうですよ。

町内の皆さんの協力により立派な供え物がありました。

こちらの立派な鯛は郡町の川端鮮魚店さんよりのもの。

本物ですよ!より大きな鯛を仕入れて下さったそうです。つややかで立派な鯛です。

赤飯は、和菓子屋の藤屋さんのものです。盛り上がった赤飯の量に驚きです。

こちらの見事な盆栽は、佐野屋茶舗さんの個人の持ち物である盆栽をお借りしたそうです。

舞台に相応しい立派な盆栽ですね。

こうして町内の皆さんの協力により人形宿を務めることができたと三村さんはおっしゃいます。

青柏祭、でか山は町の人々の結束力をあげているのだと思いました。

夜は22時ごろまで人形見がありました。たくさんの人でした。

宿の中には少人数交代で人形を拝見していましたよ。

他にも人形宿があります。合計8つのすべての人形宿を一晩で見に回る方もいらっしゃるんですよ!

すごい!

人形宿をしたお宅では、こうした手ぬぐいを作るそうです。

デザインは毎年違うもので、コレクションされている方もいらっしゃいます。

三村さんの手ぬぐいは、鍛冶町の紋が大胆に入った鮮やかな手ぬぐい!かっこいいですね!

人形見からでか山の舞台へ!

人形見は、どの町も5月2日の夜と決まっています。

一晩飾られた人形は5月3日の午後からでか山に飾られますよ。そしてその夜から宵山、朝山、本山と巡行されます。

2022年5月3日のお昼頃、魚町のでか山の舞台を設置している場面を見ました。

人形を飾る前の、大道具ですね!一つ一つ舞台道具を慎重に設置していきます。

その際も遠巻きではありますが観光客も見ることができますよ。

でか山の、貴重な裏舞台のシーンです。

人形がのせられたでか山

こちらの写真は2022年5月3日夕方の鍛冶町のでか山です。

前の晩に見た政岡の人形が堂々と舞台に立っていますよ!

でか山が大きくて、人形がとても遠くに感じます。

前の晩に人形を一目見ておいてよかった!と思いました。

【青柏祭 人形見】

開催日:例年5月2日夜

場所:鍛冶町・府中町・魚町それぞれ2~3か所

(人形1~2体ずつ飾られます)


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