
能登半島地震で甚大な被害を受けた奥能登。
その復興の最前線で、並々ならぬ情熱と行動力で能登の未来を切り拓こうとしているのが、株式会社奥能登元気プロジェクト代表取締役の奥田和也さんです。
奥田さんの言葉からは、震災からの力強い復旧、そして「人」を軸とした能登全体の活性化への強い決意が感じられました。
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「能登には、若い人が働きたいと思える場が必要!」能登への熱きUターンと企業理念

奥田さんは門前町のご出身。
若い頃は能登と距離を置いていたといいますが、47〜48歳頃に能登の人口減少に危機感を抱き、Uターン。
「能登には働くところがない」「親が子どもに能登を離れろと言う」という現状を変えたいという強い思いが、奥能登元気プロジェクト設立の原点です。
「能登には、若い人が働きたいという場が必要!」この言葉に、奥田さんの事業の根幹が表れています。
令和元年設立の奥能登元気プロジェクトでは、若い世代が能登で活躍できる場を生み出すことに注力しています。
地震前は13人の社員のうち20代の能登出身者が4人もいたという実績は、奥田さんの目指す「若い人に選んでもらえる職場」が着実に実現していた証でしょう。
「地元のものを地元の若い子が活性化させる。今の若い子は優秀。もっと若い子を前に出さねば」と、若者の可能性を最大限に引き出すことに情熱を注いでいます。
ココハサトマチの店舗に並ぶ、地元野菜を使ったレトルトカレー(規格外野菜を活用!)や能登ヒバ製品、木工品なども、すべて若いスタッフの企画によるもの。

「自分が関わったものが人に役に立つ、これが可視化されるとやりがいにつながる」と語る奥田さんの言葉は、働く喜びを追求する企業姿勢を表しています。

農業と福祉の連携「農福連携」で新たな可能性を
奥田さんの取り組みは、若者支援だけにとどまりません。
障がい者の就労支援にも力を入れており、「農福連携」を提唱しています。
障がいのある方々が持つ労働力は、「農家の縁の下の力持ちになれる」と奥田さんは確信しています。
作業を分業化することで、彼らが正確に仕事に取り組めることを強調。
実際に、金沢・加賀のJAで廃棄される規格外野菜を1.5トン運び、障がい者スタッフが選別する作業を行い、そこから作られたレトルトカレーは「ココハサトマチ」でも販売されています。
かつて輪島塗が能登の代名詞だったように、奥田さんは「今は能登は1次産業ではないか。そこに関わる人がパッとすれば能登は輝く」と、能登の新たな基幹産業としての農業の可能性を見据えています。
震災からの驚異的なスピード復旧と「人」を呼び戻す挑戦
能登半島地震では、奥能登元気プロジェクトも大きな被害を受けました。
社員の一人が亡くなり、三人が能登を離れるという悲しい出来事も経験しました。
しかし、奥田さんの復興への決意は揺るぎませんでした。
震災当日白山市にいた奥田さんは、1月3日には南志見に入り、5日には片付けを開始。9日には輪島の若いスタッフも片付けに駆けつけるなど、地域の人々の協力も得ながら、驚異的なスピードで復旧作業を進めました。
「ここ、南志見を復活させる」という強い思いのもと、井戸水を利用しトイレの水を確保し、2月26日には早くも「ココハサトマチ」を再開。
震災後、多くの人が訪れ、専門家も多数来訪しました。
しかし、能登の現状を見、そこで言われたのは「こんなに遅い復興は見たことない」「日本においてこんな復興が遅れているなんて」「あきらめられている」「過疎化の地域の復興の成功例はない」という厳しい言葉でした。
東北の復興事例から「行政を待っていては遅い。要は、復興はスピードが大事」と痛感した奥田さんは、行政の復興計画を待つことなく、自らの手で再建を進めています。
現在、奥能登元気プロジェクトでは能登ヒバを利用したバリケードやベンチを障がい者スタッフが製作。
就労施設も2024年5月には再開し、一日あたり15~30人が就労しています。
「人がいないところに金はかけない」という国の現状に対し、「人がいないところをどう戻すか」を重視する奥田さんは、南志見に人を呼び戻すための様々な仕掛けをしています。
震災後、多い時には月2000人、現在でも月1000人が「ココハサトマチ」に訪れるという事実は、奥田さんの取り組みが確実に人を呼び込んでいることを示しています。
感動の支援エピソードと未来への展望
奥田さんは、震災後に受けた温かい支援に深く感謝しています。
特に印象的だったのは、香川県から軽自動車で一人で南志見にやってきて、うどん屋を開いてくれた方とのエピソードです。
本場の讃岐うどんを振る舞ってくれ、全く地元に負担をかけずに200杯を3時間で終了。さらにはうどんの打ち方まで教えてくれたというのです。
「もし、香川県になにかあったら、恩返ししにいく!」と、その恩義を決して忘れないという奥田さんの人柄がにじみ出ていました。
現在、奥能登元気プロジェクトは赤字を抱えているものの、奥田さんは未来を見据えています。
宿泊施設がない現状を解決するため、22人宿泊可能な2軒目のゲストハウスを建設中。
ルームプレートには輪島の町名を入れて輪島の周知にも役立てるなど、能登全体への貢献を考えています。
「南志見地域は9割の家が解体と決まっている」という厳しい現実の中で、奥田さんは「直して住みながら1~2部屋を民泊にすれば修理費の元はとれる」と、地域の新たな可能性を提案します。
奥田さんの原動力は「南志見愛」だけでなく、「能登愛」。能登全体が大事だという強い思いが根底にあります。
能登を「学びの最先端地域」へ。共に能登の未来を創る仲間を募集!
「いつまでも『助けて』はだめ」「能登は地震にノーマークだった」と、奥田さんは現状を冷静に見つめます。
そして、「過疎化地域での復興成功例はない。なので、それを学ぶ最先端の地域ではないだろうか」と、逆境を乗り越え、能登を新たな復興モデルの地とすることを目指しています。


「ココハサトマチ」では、工事業者の人々がランチに訪れ満席になるなど、地域のにぎわいの中心となっています。


さらに、南志見には工事業者が作ったひまわり畑やカフェ、子供の遊び場なども誕生しており、地域全体で復興への歩みを進めていることがうかがえます。
「田舎で商売したい人、奥田さんの右腕になってくれる人、募集中。10人でも来てほしい。とにかく能登を人がいるところにしたい」奥田さんは、能登の未来を共に創る仲間を強く求めています。
南志見に人が戻れば、それは能登全体の成功モデルとなり、能登のどこへでも人が戻れるようになるはずだと、奥田さんは信じています。
能登ヒバの香りが心地よい「ココハサトマチ」を拠点に、奥田さんの挑戦は続きます。この熱い想いに共感し、能登の復興に力を貸したいと願う皆様、ぜひ奥能登元気プロジェクトの活動にご注目ください。そして、能登の未来を共に築く「人」となることを心より願っています。
企業詳細
㈱奥能登元気プロジェクト
代表取締役:奥田和也
住所:石川県輪島市里町1-6-1
電話:0768-34-1350
店舗 ココハサトマチ 詳細
住所 石川県輪島市里町1-40
営業時間 10:00~17:00
お食事の提供は、15:00まで



















