長谷川等伯展 ~収蔵品にみる等伯と長谷川派~【石川県七尾美術館 七尾市】
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のとルネアンバサダー、イベント担当るっちです!

日本の歴史的絵師、長谷川等伯の展覧会が、等伯の生誕地である七尾で開催されます!

全国からその開催が待たれていました。

当初は2020年4月開催予定でしたが、新型感染症の影響により日時内容の変更を余儀なくされました。

この秋、待望の開催です!

長谷川等伯展・開催日時

 石川県七尾美術館令和2年度秋季展覧会
 長谷川等伯展 ~収蔵品にみる等伯と長谷川派~

 会期:令和2年9月19日(土)~10月25日(日)
 休館日:毎週月曜日
 会場:石川県七尾美術館(石川県七尾市小丸山台1丁目1番地)
 開館時間:午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)
 観覧料:一般500円(400円)・大高生350円(300円)・中学生以下無料
     ※( )内は20名以上の団体料金
     ※10/18(日)「いしかわ文化の日」は石川県内居住者の方無料。

2020年で開館25周年の石川県七尾美術館

石川県七尾美術館は、平成7年(1995)の開館以来、今年で25周年を迎えました。

石川県の能登半島に立地する総合美術館として、「能登にゆかりの作家や作品の紹介」をメインテーマと定めています。

それに基づき、開館以来関連作品の収集や保管、そして展覧会を幅広く開催してきました。

そして「能登ゆかりの美術」と一言でいっても多岐にわたりますが、その中で最も著名な存在といえばやはり長谷川等伯(1539~1610)に尽きます。

七尾出身・長谷川等伯

長谷川等伯(1539~1610)は今から約450年前の安土桃山時代に大活躍した絵師です。

安土桃山時代といえば、織田信長(1534~82)や豊臣秀吉(1537~98)などの歴史上のスーパースターたちが活躍した頃であり、大河ドラマなどで度々採り上げられるので皆さまにもなじみが深い時代です。
そこで等伯ですが、記録によれば天文8年(1539)に能登国(石川県能登地方)七尾の武士・奥村家の子として生まれたと伝わります。

時代はまさに群雄割拠の戦国乱世ただ中という頃。

早くに七尾で染色業と絵仏師を営む長谷川家の養子となり、20歳頃より絵仏師「信春」の名で活動したとの記録があります。
その後30歳代頃に京都へ移住。やがて50歳頃に名をそれまでの「信春」から「等伯」と改めて、京都画壇で頭角を現し、本格的な「京都デビュー」を果たします。

当時京都画壇を牛耳っていた「狩野派」の総帥・狩野永徳(1543~90)と対立しつつも着実に活動域を拡大。

そして53歳の時に天下人・豊臣秀吉からの依頼で京都の祥雲寺に見事な金碧障壁画を描き、ついに画壇の頂点に登りつめます。
 その間、等伯の長男で後継者の久蔵(1568~92)や、最大のパトロンであった千利休(1522~91)をはじめとして、身近な人たちに次々先立たれるなど数々の不幸に見舞われるものの、日本水墨画の最高峰と評価される「松林図屏風」(東京国立博物館蔵、国宝)など名作を次々に生み出していきます。

等伯の息子や弟子たちで構成された絵師集団「長谷川派」の総帥として常に一門の先頭に立ち、晩年に至っても常に絵筆を握り続けた等伯。

そして慶長15年(1610)、徳川家康(1543~1616)の招きにより江戸へ向かうものの道中で病を得、72歳で没しました。
 その人生はまさに波乱万丈。まさしく「画の道」に一生を捧げきった生涯といえるでしょう。

それだけに彼の生きざまやその作品群は多くの人びとを魅了してやまず、日本の歴史上に登場する数多の画家の中でも燦然と光点を放ち、現在も抜群の知名度と人気をほこっています。

七尾美術館で年一回のペースで行われる長谷川等伯展

 七尾美術館ではこの郷里出身の「巨匠」である等伯を大きな柱ととらえ、より多くの人びとに彼のすばらしさを周知すべく普及活動を実施してきました。

中でも中心核となっているのが展覧会「長谷川等伯展」の開催です。

長谷川等伯展は七尾美術館開館の翌年、平成8年に第1回展が実施されました。

以降は毎年1回のペースで継続し、今回で25回目となります。
 今回は当初、4月に「開館25周年記念特別展」として「長谷川等伯展 ~能登の信春-The time of young Tōhaku~」と題し、準備を進められていました。しかし「新型コロナウイルス感染症」感染拡大の影響を受け、やむなく展覧会を中止せざるを得ないという不測の事態となりました。

しかしこれまで20年以上にわたって続いていたシリーズであり、また等伯の作品をみたいという声も多く寄せられていたこともあって、企画を再検討。

内容を変更して改めて秋季に開催することになったのです。

長谷川等伯能登づくしのラインナップ

 七尾美術館では開館以降、等伯や「長谷川派」の作品や関連史料などの収集を行ってきました。

その間多くの方々の協力があり、現時点で七尾美術館には等伯や「長谷川派」絵師の作品が集まりました。

現在は所蔵品と寄託品をあわせて40点ほど収蔵されています。

寄託品については能登地域などの寺院に古くから宝物として大切に保管されてきた作品も多く、いずれも唯一無二の貴重な文化財が揃っていると言えます。
 そこで今回は、それらの所蔵品および寄託品のうち、28点の作品や資料をセレクトして展示されています。

その内容は、等伯の前半生、「信春」と名乗り絵仏師として活躍していた頃の作品が中心です。

また若き等伯に絵の手ほどきをしたと伝わる養父の長谷川宗清(1507~71)や、「長谷川派」のパイオニアと思われ等伯の養祖父との説もある無分(生没年不詳)、そして長谷川一門で、等伯の京都移住後に七尾の長谷川家を継承したと考えられる長谷川等誉(?~1636)の仏画なども加わります。

まさに「能登づくし」といえるラインナップであり、「等伯の生誕地ならでは」の展示といえるのではないでしょうか。

 この長谷川等伯展をぜひとも鑑賞し、これらの名品たちを通して、いにしえの等伯や「長谷川派」の絵師たちにぐっと想いを馳せたいと思います。

取材協力、写真提供 石川県七尾美術館


  ①輪島市指定文化財「日蓮聖人像」 長谷川宗清(道浄)筆 輪島市・成隆寺蔵


  ②石川県指定文化財「涅槃図」 長谷川信春(等伯)筆 羽咋市・妙成寺蔵

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  ③石川県指定文化財「達磨図」 長谷川信春(等伯)筆 七尾市・龍門寺蔵


  ④石川県指定文化財「猿猴図屏風」 長谷川等伯筆 石川県七尾美術館蔵

 


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