
能登半島地震での被災を乗り越え、2025年11月1日、七尾市一本杉通りの元の場所に漆陶舗 あらきが待望のリニューアルオープンを果たしました。
震災で店舗は、厳しい状況に直面しましたが、一本杉通りに再び灯りをともしたいという八代目の強い想いと、全国からの温かい支援によって再建された新店舗。伝統を守りつつ、新しい試みも取り入れた新生・漆陶舗 あらきの魅力をご紹介します。
Contents
震災を乗り越え、一本杉通りのシンボル復活


漆陶舗あらきさんは寛永年間創業で、約170年の歴史を持ちます。
現在、8代目となる店主が2024年の能登半島地震被災の苦難を乗り越え、元の場所で再建オープンされました。
新しい店舗は、一本杉通りの歴史ある街並みに調和する落ち着いた佇まい。印象的な大きなテラスや、洗練されたデザインが目を引きます。 仮店舗での営業を経て、1年10ヶ月ぶりにこの地に戻ってきました。新しい建物は、これからの100年を見据えた、復興のシンボルともいえる存在です。
店内|輪島塗や九谷焼をゆっくり選べる、あらきの空間







店内に一歩足を踏み入れると、能登の自然豊かな土地で育まれた輪島塗をはじめ、能登島の陶房独歩炎の作品、珠洲焼、加賀百万石の九谷焼、山中塗など石川県を代表する伝統工芸品が美しくディスプレイされています。
今回の再建にあたり、店内のラインナップにはある変化がありました。以前の店舗では全国各地の工芸品を幅広く扱っていましたが、リニューアル後は、より一層石川県内の工芸品に重きを置いた構成に。これは、震災を経験したからこそ地元の手仕事の素晴らしさを、ここ七尾から改めて発信していきたいという、お店の強い決意の表れです。
もちろん、以前からのファンも多い県外の優れた工芸品も、厳選してお取り扱いを継続されています。
以前の趣を残しつつも、より明るくモダンになった空間では、日常使いできるお手頃な器から、一生ものの逸品まで、女将がセレクトしたこだわりの品々が並びます。
そのどれもが美しく、時間を忘れて見入ってしまうほど。
もしどれを選べばいいか、お手入れはどうすればいいかなど、わからないことがあれば、女将の新城礼子さんに声をかけてみてください。 伝統工芸への深い愛着と知識を持つ女将との会話も、このお店を訪れる大きな楽しみのひとつです。
旧店舗で使われていた暖簾やパネルを活かす

再建前のお店で使われていた、輪島塗の看板や暖簾、パネルが随所に活かされていています。
取材時には、輪島塗の看板の前で新城様ご夫妻に並んでいただき撮影させていただきました。
「花嫁のれん」オリジナル商品


漆陶舗あらきさん限定花嫁のれんオリジナル商品。
花嫁のれんとは、石川県の加賀・能登地方の庶民生活の風習で、 婚礼儀式で使われる色鮮やかなのれんです。
花嫁・花婿お箸をはじめ、花嫁・花婿おわん、そして花嫁・花婿スプーン。これらは、漆陶舗あらきと同じ一本杉通りにある花嫁のれん館でしか購入できないオリジナル商品となっています。
若女将 新城礼子さん

写真は、地震被災前の以前の店舗での一枚です。向かって右側が女将の新城礼子さんです。
のとルネのポスターを持って、にこやかに対応してくださったときの写真となります。
伝統文化として受け継がれてきた漆や陶器を通して麗しい心づくしを重ね合わせたい。
そして作り手、贈る人の思いをお品に重ね合わせ、心を込めてお包みし贈られる人にその思いを伝えるお手伝いがしたいと話される女将の新城礼子さん。
能登は優しや土までも…と言われますが、お店の温かい雰囲気と女将の優しい笑顔に惹きつけられました。
「輪島塗」沈金体験

漆陶舗あらきさんでは、輪島塗の沈金体験ができます。漆の表面に専用のノミで模様を彫り、そこに金を埋め込む伝統技法。丁寧な指導のもと、初心者でも気軽に楽しめます。自分への旅の思い出に、あるいは大切な人への贈り物に、復興した一本杉通りで手作り体験をしてみませんか?
沈金体験は、事前にご予約のお電話をお願いします。1名様から対応可能。
漆陶舗あらきさんの公式ホームページからもお申込みいただけます。
【沈金体験料金】※2025年6月現在の価格です。
・お箸 ;1,500円(税込み)
・銘々皿 ;2,500円(税込み)
・ミニパネル ;3,000円(税込み)
上記は、体験料及び材料費込の値段。
材料は当日、その場でお選びいただけます。
漆陶舗 あらきの沈金体験をレポート
※写真は、震災前の店舗にて体験した時の様子です。


沈金とは漆芸品に用いられる加飾技法のひとつで、刃物で文様を彫り、金粉を押し込むものです。
まず、輪島の漆芸技術研修所で勉強されてきた女将から輪島塗についてのお話を聞き、自分の思いのまま文様を彫っていきます。


この日は銘々皿の沈金に挑戦しました。


仕上げは、女将が漆を使って金粉を押し込んでくださいます。
溝に金粉が入り込み、自分の描いた文様が鮮やかに浮き上がってきた瞬間。その美しさには、思わず感嘆の声が漏れてしまうほど。
今回描いたのは、能登半島と梅の花。自分だけの、世界でたったひとつの作品の完成です。
その仕上がりは、まさに大満足の一言。伝統の技に触れる、心豊かなひとときとなりました。
ふるさと納税
ふるさと納税で、輪島塗と九谷焼のコラボ商品もご紹介しています。
能登半島地震被災のこと
2024年1月1日、能登半島地震が発生。
それまで七尾市一本杉通りの商店街に店舗を構えていた漆陶舗あらきさんは、甚大な被害を受けました。
割れ物を扱っている為、この地震で商品の9割が破損。
その惨状は、片づけるといったものではなかったとのこと。
観光名所である一本杉通りがこの世の終わりかといいう景色になり、すべて終わったという思いになったそうです。
新型コロナウイルス感染症の騒動から回復し、これから、と頑張っていただけにこの被災の現状に心が折れる思いをされました。
一本杉の惨状、和倉温泉の状態、七尾の町は、能登全体は、と不安が募り膨らむばかり。
そして元日という特別な日にどうして。という虚しさにとらわれました。
お店はもう閉めよう、と思われたそうです。

しかし、地震直後、昔からの付き合いの輪島の職人さんを訪ね、現状を目にした時、七尾より更にひどい被災状況にかける言葉がありませんでした。
そんな中でも輪島の人の前向きな姿を見て、作り手の作品を外に出す役目をという使命感が宿り、職人さん達のために再建を決意されたのです。
一本杉通りにあった店舗の近くにある、比較的被害が少なかった建物に移り、2024年4月に仮店舗としてオープンされました。
以前の店舗は、被災後たくさんのボランティアや県外の専門家にみていただいたそうです。
建物の診断結果を踏まえて、建て替えを決意されました。
現在、元あった店舗は解体し、同じ場所で店舗再建に向けて工事が始まっています。2025年秋に再オープンの予定となっています。
「やはり一本杉に戻らないと。もう一度あそこでお店をしたい」と心意気新たに話される女将。
仮店舗も歴史ある建物で趣がありますが、また一本杉通りに商店街の一部としてお店を連ねたいと話されます。
オススメは輪島塗

女将のおすすめは何といっても輪島塗」。
被災して、輪島を離れた職人もおり、作り手が減っていることから、輪島塗の商品の数が減ることが危惧されます。
伝統工芸である輪島塗は今後ますます貴重なものになるでしょう。
被災地からお預かりした訳あり商品も展示販売しています。
地震後も、輪島塗のふるさと納税の申し込みをたくさんいただいているそうです。
能登半島を応援する気持ちで、全国の方から申し込みがあるとのこと。
こうして、皆さんに守られながら生活させていただいていますと感謝の気持ちを述べられる女将です。
令和7年石川県優良観光土産品コンクール 石川県知事賞
地震後、輪島塗の箸の注文が在りました。
こうして制作された輪島塗の箸が、なんと令和7年石川県優良観光土産品コンクール石川県知事賞に輝いたのです。す。
箸先はすべらない加工付きで、皆様にオススメする自慢の商品です。

車でお越しの方も安心。専用駐車場のご案内


一本杉通りの入り口という便利な場所にありますが、お店から少し離れた場所になります。
漆陶舗あらき 店舗情報
住所: 石川県七尾市一本杉町4
TEL:0767-52-4141
FAX:0767-52-4140
メールアドレス:info@nanao-araki.com
営業時間:午前9時~午後5時
定休日:火曜日
お支払い方法:現金、各種クレジット、銀行振込、代金引換

















