のとルネアンバサダー、観光担当のっちです!
珠洲市には、大変珍しい杉の木があると、地元の方から聞き早速行ってきました。
高照寺の門前にある杉
珠洲市内に入り、しばらく走ると左側に大きな木が見えてきます。
道路沿いに「高照寺の倒さ杉(さかさすぎ)」という看板があるところを左に曲がり、200メートルほど進んだ所にありました。 この杉は、真言宗の古刹・高照寺というお寺の門前にあります。
杉から山の方へ目を向けると、山の中腹にお寺の門が見えました。
高く上に伸びていくのが普通かと思いきや、この木は横に地面を這うように伸びているのです。
この様子が、さかさまに伸びて見えることから「倒さ杉(さかさすぎ)」と云われているようです。
枝が下に垂れているので、折れてしまわないようにとしっかりと固定がされています。
この大きな木の下に入って行くと、木の間から差し込む光がとても綺麗でとても神秘的でした。
そして、幹の太さに圧倒され、生き生きと輝く緑の葉がとても美しかったです。生命の力強さを感じることができました。
枝が折れているかのように見えますが、しっかりと主幹から伸びています。
見る角度を変えると、まったく違いものに見えます。下から見上げると羽を広げたように見え、正面(どこが正面かは?です)から見ると巨木から両手を広げたように見えます。
この祠(ほこら)の中には、お地蔵さまがいるようです。
太田道兼の歌碑がありました。江戸中期のお役人で、能登一国の名所旧跡を紹介した「能登名跡誌」を記した方だそうです。
「三輪ならで ここにもありや一本の 杉のみどりの志るしさかえて」
この歌は、高照寺の倒さ杉を詠んだもので、歌碑は昭和63年上戸知ろう会によって倒さ杉の後ろに建てられたそうです。
石川県指定天然記念物倒さスギ
木の下には、倒さ杉について説明板があったので紹介します。
一、県指定年月日 昭和44年3月19日
一、指定の理由 樹形のすぐれたスギの名木
一、説明事項
倒スギは、樹齢約850年と推定され、幹周り6.74メートル、高さ12メートル、樹高にくらべて枝のひろがりがあり、それは30メートルにもおよぶ。
すべての枝が下方に垂れ、地面につくものもある。こうした樹形はまことに珍しくみごとであり、この名の由来があると思われる。(珠洲市教育委員会)
箸を地面に逆さまに挿した
八百比丘尼(やおびくに / はっぴゃくびくに)が昼食時に杉箸を逆さに挿し、そこから枝葉がでたとの逸話があるそうです。
(八百比丘尼とは、日本の伝説上の人物。福井県小浜市に、人魚の肉を食べたことで不老長寿を獲得し800歳まで生きた尼さんがいたという伝説があるそうです。白い肌をしていたことから白比丘尼とも呼ばれたということです。)
能登の一本杉ともいわれています
この今にも動き出しそうな、そしてとても形の変わった杉の木は他にはないのではないかと思います。珠洲市に来た時には、是非立寄ってご覧になってください。損はないと思います。
【倒さスギ 詳細】
場所:石川県珠洲市上戸町寺社
アクセス:のと里山空港から車で45分
北陸鉄道特急バス「上戸」徒歩10分