海水から薪をくべて作る伝承の塩「塩づくり舟小屋」【七尾市 能登島長崎町】

のとルネアンバサダー、観光担当のっちです!

海水からつくるお塩、味わったことありますか?

能登島自然の里ながさき

能登半島にある島、能登島。
その一角に殊更美しい景観の長崎地区があります。
その地区で活動する「能登島自然の里ながさき」は里山整備、塩づくり、自然体験などの活動を行いながら地域内外の交流を深め、集落の整備に努めています。

茅葺の塩づくり舟小屋

海がすぐそばにある長崎地区。
その海のきわに、昔の舟小屋のような茅葺の建物があります。
その昔、この長崎地区では茅葺の多くの舟小屋が立ち並んでいたそうです。
その舟小屋をイメージして建てられた塩づくり小屋です。
今から約10年ほど前、里海活動の拠点づくりの一環として、東京農大の学生や、石川県農村ボランティア役立ち隊、そしてこの長崎地区の住民達で茅葺を葺き、建てたそうです。

百歳伝承の塩づくり(中武仕上げ)

能登島長崎町では古来より土器製塩と揚げ浜式製塩が行われていたが、塩の統制により廃止(1911年)。長崎在住の中山武男氏(100歳 2017年永眠)が終戦後に復活、独自の塩づくり技法(中武仕上げ)を考案したが、塩の流通規制により途絶えた。2008年「能登島自然の里ながさき」の発足とともに中山武男氏の指導のもと、昭和の塩づくりを復活しました。

(「のとじまの海塩ー能登島自然の里ながさき」 製品の説明より)

薪で焚き上げられる海水の塩

茅葺の小屋のなかは、薪が焼ける良い匂いがします。

薪がくべられている窯は細長く向こうに続いています。

写真に見える煙は、蒸気です!

海水を沸かし続け、塩分濃度を徐々にあげてかん水をつくっていく過程です。

何日もかかる工程です。

この勢いのある火!

薪は長崎地区の森林整備の際に出た端材が使用されています。

無駄がありませんね!

そして、不要となった木材を薪に役立ててほしいとこのように小屋の外に置いて行って下さる方もいらっしゃるそうです。

他、七尾の関軒製材所さんの端材も薪としていただいているそうです。

素敵な活動に、地域の協力がある様子がうかがえますね。

10年近くも燻され続けた茅葺屋根の内側。孟宗竹を半分に割ったものが骨組みとして使用されています。

その竹がこんなに真っ黒に。

先に出来たかん水を濾過し、さらに24時間焚き上げて結晶化した塩をすくいあげます。

真っ白でキレイなお塩です!

しかしこちらはまだ完成ではないそうです。この後もまだ過程があるそうです。

後方の窯で焚き上げられているのは・・・

なんと、藻のお塩!

その名も「ももも塩」。四季を通じて、数種類の藻を入れて煮だしているそうです。

ですので色がほんのりついていますね。

完成品はこちらです。

内容量:110g

原材料:海水

行程:天日、平釜、中武仕上げ

製造者:能登島自然の里ながさき

こちらのお塩は東京の料理店や、七尾の和菓子屋さんなどから求められている人気のお塩です。

中でも、能登の食材で格別の日本料理を提供している七尾市の「一本杉 川嶋」。
川嶋さんのあの素晴らしい日本料理には、こちらのお塩が使われています。

のとじまの海塩・ももも塩はどこで買える?

こちらのお塩は、以下の二か所で販売されています。

●七尾の「ゆめはな」さん

●能登島の「道の駅 のとじま」さん

のとじまの海塩、ももも塩のお味は?

 

私もちょっと味見。

塩からい!!そして口にのこる爽やかな後味!

お塩ってこんなに後味がさっぱりするものでしたか?

お塩の味って違いがあるのだと認識しました。ひとつまみでお料理の味が決まるような、そんなお味です。

藻で煮だした「ももも塩」もおなじく味見。やはり、海塩同様、からいです。

でも「ももも塩」の方がほんのり甘く感じます!

サラダにかけると野菜の旨味を引き立てて美味しくなりそう。天ぷらに添えても優しい色合いになりますね。

塩づくり舟小屋存続のために、外には葺き替えるための茅が用意されています。
地域の子供たちや、体験希望の方たちと一緒に茅を束ねて、小屋づくりから共有できれば、考えているそうです。
塩づくり舟小屋のそばには海があります。
裏手にまわると、手作りの展望テラスが。
海にむかって建てられた手作りの展望テラスです。
テラスに座ると富山湾が見えます。
天気の良い日は立山連峰を眺めることもできるとか。是非とも見てみたいものです。
訪れた日は生憎の小雨のお天気でしたが、それでもこの海の透明度はすごくありませんか?
お天気の良い日は本当に透き通ったきれいな海なのだそうです。
満潮干潮の具合で座れないこともありますが、この階段に座って足を海につけていると、ドクター・フィッシュならぬ、ドクター・シュリンプが足をつつきにくるそうです!
季節は6~9月あたりだそうです。
その様子、見てみたいですね。夏になるととても気持ち良いでしょうね。
目の前には勝尾崎は見えます。景色がよい長崎の海です。

子供たちに塩づくり体験を

「能登島自然の里ながさき」の源内(げんない)伸秀さんは、常日頃から地域を思い、活動していらっしゃいます。
長崎地区に住み、仏壇製作や神具修復・製作の仕事をしていらっしゃいます。
その傍ら、長崎地区のために、自然豊かな里山里海の保全と、その恵みを生かした交流、さらに地域住民の所得向上を目指しています。
この塩づくりを子供たちに体験してもらおうと、積極的に取り組みを行っています。
県内外の子供たちや学生に、そして大人と、たくさんの人々に塩づくりの体験をしてもらってきたそうです。
他にも長崎地区の自然をいかしたツリーハウスづくり、
海ほたるの観察など、自然をいかした企画に取り組んでいらっしゃいます。

能登島自然の里ながさき クラウドファンディングに挑戦!

そして、能登島町長崎地区にある24軒の集落の存続をかけて、クラウドファンディングに挑戦中です。

プロジェクト名「能登島長崎24軒の集落の存続をかけて!~未来に繋げる加工場づくり~」

目標金額 100万円

期間 2021年4月26日~6月20日

以下は、READYFORにあるプロジェクト説明文を引用させていただきました。

*****

「能登島自然の里ながさき」は、2009年に能登島長崎町の住民によって結成いたしました。自然豊かな里山里海の保全と、その恵みを生かした交流、さらには地域住民の所得向上を目指し活動しています。

長崎町の高台から見渡せる田んぼと海。里山里海が入り混じるエリアです。

この活動を通じて生まれた商品の一つが、「能登島の海塩」。県内外の料理人の方々にも使って頂くなど、能登島の土産品として近年認知され始めています。

塩づくりだけではなく、この集落には、それぞれの家庭で行われる味噌作り、漬物作り、干物作りなど、能登には、これまで培われてきた食文化や生活の知恵、家庭の味がたくさんあります。それらを、この「能登島の塩」と合わせることで、更に皆様に喜んでいただけるような、新たな加工品を生み出すことができないかと考えています。

そこで、思い至ったのが、保健所の許可を得た加工場を作り、塩を生かした加工品を作り販売していくという今回のプロジェクトです。

私どもは、2009年の結成以来、里山整備、塩づくり、自然体験など様々な活動を行いながら、地域内外の交流を深め、集落の整備に努めてきましたが、集落の高齢化とともに、メンバーの高齢化も進み、志はあるものの、このままでは活動を継続していくことができないのでは、という危機感を持っています。

私たちが、この活動を始めたのも、次世代への継承と、集落の存続を願ってのものでしたが、現在のように、時間や労力を無償で提供するスタイルでは、なかなか次世代に継承していくことが難しいと実感している次第です。

冬になるとみんなで集まって家庭用の味噌を作ります。親戚にも送っています

そこで、今回、商品価値の高い物を作り出し、収益を生み出すことで、長崎の集落の存続につながるような働く場や仕事の流れをつくり、次世代にこの豊かな里山を繋いでいきたいと考えました。

クラウドファンディングへの挑戦を選んだのは、私たちの活動について、そして、少子高齢化で集落存在の危機が現実的に起きているということも、より多くの方に知っていただきたいと考えたからです。

今回の加工場を完成させるためにかかる費用は約230万円で、今回のクラウドファンディングで目標が達成できたとしても、工事費にはまだ約半分の金額が不足となります。その分は借り入れをし、今後加工場を運営する事で収益をきちんと挙げて返済していく覚悟です。

どうか温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。

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「能登島自然の里ながさき READYFOR」で検索してみてくださいね。
次世代に残していきたい、「能登島自然の里ながさき」。
能登の宝のような存在だと思います。

【能登島自然の里ながさき 詳細】 

代表 源内伸秀

七尾市能登島長崎町32-5

0767-84-1702


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