古式を伝える唐戸山神事相撲【羽咋市 唐戸山相撲場】

のとルネアンバサダー、観光担当のっちです。

石川県は、相撲王国と言われるほど相撲が盛んです。

相撲の土俵が設置されている小中学校も多く、部活動に「相撲部」がある学校もあります。

そして日常的に相撲の大会が多い石川県。

それはこの唐戸山神事相撲を起源にしているのではないでしょうか?

現在は桜の名所として市民の憩いの場となっている唐戸山相撲場。そこで行われる唐戸山神事相撲についてご紹介します。

※2022年9月25日、3年ぶりに開催された唐戸山神事相撲。その様子を追記しましたのでご覧くださいませ♪

唐戸山(からとやま)相撲場

唐戸山と書いて、「からとやま」と読みます。

山の地名?

いえ、実際は羽咋市の街のちかくにある相撲場の地名です。

 唐戸山は、ゆるやかな傾斜の中央に土俵が設けられている相撲場です。

窪地の土俵は円形で、柱はありません。

この地形、まさに天然桟敷(さじき)の相撲場です。

ここでは毎年9月25日に「唐戸山神事相撲」が行われます。

県無形民俗文化財「唐戸山神事相撲」

唐戸山神事相撲の歴史

唐戸山神事相撲」とは、毎年9月25日に行われる羽咋神社の神事相撲です。

羽咋神社の祭神は磐衝別命((いわつくわけのみこと)です。

羽咋神社についてはこちら↓↓

歴史の始まりは、今から約2000年前。

第11代垂仁(すいにん)天皇の皇子、磐衝別命((いわつくわけのみこと)が相撲を好んだことから、磐衝別命の崩御後、その命日に北陸各地から力士が集まり、相撲により神霊を慰めたことが始まりであると伝えられています。

一説には、唐戸山の土を掘って磐衝別命の御陵を作ったからこの地がすり鉢状となったともいわれています。

日本最古の相撲場

唐戸山相撲場はその歴史の深さから「日本最古の相撲場」とされています。

群馬県藤岡市には、羽咋市と同じく古い相撲場があることが縁で羽咋市と姉妹都市提携を結んでいます。

羽咋の法事とは

羽咋神社の例大祭(神社で一番大事な祭)は9月25日で、午前中に執り行われます。

そして、午後から唐戸山神事相撲の相撲祭、任命祭、奉額祭などが行われます。

 一方、羽咋神社の旧別当寺の本念寺では、9月23日~26日にかけて磐衝別命(いわつくわけのみこと)の法要や法話、御講などが催されます。

この法要には、多くの人々が夜を徹して参詣し、羽咋神社や本念寺の境内を中心に露天商が立ち並んで賑わったことから、今もこの4日間は「羽咋の法事」と呼ばれます。

特に25日には多くの人々で賑わいます。

上山・下山の呼び名

私たちが慣れ親しんでいる相撲は、「東」「西」とわかれていますが、

しかしこの神事相撲は、「上山」「下山」とわけられます。

邑知潟を中心に、越中と加賀方面を「上山(かみやま)」、

能登方面を「下山(しもやま)」と呼びます。

夜に行われる神事相撲

唐戸山では、夜も深まり、中入り(休憩)の後、土俵の四隅にかがり火が焚かれ、神事相撲が始まります。

唐戸山神事相撲の伝統に従って「水なし、塩なし、まったなし」というルールのもと、二番勝負で競います。

決戦を終えた上山・下山の両大関は、それぞれの仲間の力士が組む肩車に乗って、相撲場から約1キロメートルの参道を走り、羽咋神社の拝殿に駆け込みます。

 大関には、宮司から「御大詔(ごたいしょう:賞證・相撲由来書・目録の3点)」と白絹の大幣帛、本念寺の高張提灯が授けられます。

唐戸山神事相撲の進行予定

毎年9月25日

午後3時 ~ 神社奉額祭(羽咋神社)

午後3時30分 ~ 神社相撲祭(羽咋神社)

神社立行司任命祭(羽咋神社)

午後5時30分ころ~ 稽古どり(唐戸山相撲場)

協賛相撲(唐戸山相撲場)

小決勝

中決勝

十人弓

トーナメント決勝

大決勝

午後8時ころ~ 中入り(唐戸山相撲場)

神事太鼓

土俵入り

相撲甚句

午後8時30分ころ~ 神事相撲(唐戸山相撲場)

前弓

中弓

奥弓

午後10時30分ころ~ 神社幣帛授与祭(羽咋神社)

(羽咋市役所ホームページより)

2022年9月25日 唐戸山神事相撲

新型感染症流行の影響で開催が3年ぶりとなった唐戸山神事相撲。

待ちわびた方も多かったと思います!私も初めて見る神事相撲に行ってきました!

夕方5時頃はまだ明るく、人もそんなに多くありません。

土俵を中心に、「上山(かみやま)」、「下山(しもやま」にわかれそれぞれテントが張ってあり、それぞれの応援に分かれます。

どちらにつくでもない観客はそれぞれ好きな場所から見ることができます。

天然の桟敷席ですからね、自由に見ることが出来ます!

足元は、千里浜の砂浜のような、砂地でしたよ。

いつもブルーシートがかけられ保護させている神聖な土俵。

夕方にシートが外され、お目見えしました!

そしてかがり火も準備されます。そばに薪がありますよ。

夜も更け、厳かな空気が漂い始めます。

神事太鼓と呼ばれ、迫力ある太鼓の演武です。夜空に響く太鼓は、腹の底まで届くような力強い音です。

力士の土俵入りです!

かがり火も入り、取り組みがはじまりました。

生の相撲観戦ははじめてだったのですが、面白いです!興奮します!

普段テレビで見ているのとは全く違った、100倍楽しめる観戦だと思いました!

旗もたくさんで華々しく、この賑わい!!

全体でみるとこういった感じで、様々な場所から観戦しています。

両大関、ウマに乗り羽咋神社へ!

唐戸山神事相撲の見どころ!!上山下山の両大関がウマに担がれ、ここらら約1キロ離れた羽咋神社まで疾走します!!

走り出した両大関をのせたウマ。このまま羽咋神社へ行き、そこで神社幣帛授与祭が行われます。

3年ぶりの開催で、皆楽しみにしており、待ちに待った神事相撲。

その喜びと興奮が伝わる疾走でした。

唐戸山資料展示室

唐戸山相撲場に隣接した「唐戸山資料展示室」。

1995年に開設されました。

普段は施錠されており、見学希望の際は羽咋市役所 商工観光課(0767-22-1118)へ問い合わせ下さいね。

唐戸山資料展示室の中は唐戸山神事相撲に関した資料、これまでの開催ポスターなど様々な資料が展示されています。

実際に行われていた写真や歴史なども細かく見ることができますよ。

是非、この地に訪れて、深い歴史のある唐戸山神事相撲について知ってみてくださいね。

桜の名所 唐戸山相撲場

唐戸山相撲場は、桜の木が 植樹されており、春には美しい満開の桜を観ることができます。

広い天然の桟敷もありますので絶好の花見スポットとして市民の人々に愛されている場所です。

新緑と桜花が交わり美しい唐戸山相撲場です。

唐戸山神事相撲に尽くした力士の功績をたたえる石碑の周りにも、桜が咲き誇っています。

【唐戸山相撲場 詳細】
住所 〒925-0053 石川県羽咋市南中央町
問い合わせ電話番号 0767-22-1118(羽咋市役所商工観光課)
交通アクセス(公共) JR羽咋駅から徒歩15分


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