のとルネアンバサダー、観光担当のっちです。
七尾城主能登畠山氏と加賀藩主前田氏ゆかりのお寺
曹洞宗 大龍山 海門寺(かいもんじ)さんをご紹介します。
由緒ある文化財があり、見ごたえがありました!
Contents
海門寺の歴史
創建された時期や経緯は不明となっています。
元は天台宗のお寺だったと推定されており、鎌倉時代、室町時代の仏塔、板碑が残されています。
能登畠山氏・前田利家公との縁
江戸時代に書かれた由来書によると、
能登畠山氏より中興開山(いったん衰えたお寺を再び盛んにすること)され、臨済宗寺院として建立されました。畠山5代の慶致公の次男の墓碑があります。
畠山4・6代の義元公時代には七堂伽藍がありましたが、七尾城落城の戦火で焼け落ちてしまいました。
しかし、木造千手観音坐像(現存しており、国指定重要文化財となっています)を安置する観音堂のみ焼失を免れています。
その後、前田利家が鷹狩の折にこのお寺の由緒を聞き、寄進を受け曹洞宗寺院として再興されました。
以来、前田利家公の祈願所となり、前田家の家紋である梅鉢紋の使用を許されています。
海門寺 行き方
海門寺さんは、七尾市では有名なお寺のひとつで、地域のシンボルともなっています。
能登ふるさと博・郵便局スタンプラリーの七尾大田郵便局の風景印にもなっています。
能登ふるさと博・郵便局スタンプラリーとは・・・
能登にある郵便局をまわり、その地域の特色のあるデザインの風景印を集めながら、能登の魅力を楽しむものです。
「風景印」とは、各郵便局周辺の特産品や名所がデザインされている、特別な日付印です。
七尾駅より車で約10分です。
海門寺、と読んで字の如く、お寺は海のすぐ近くにあります。
海沿いの道路のすぐそばの小路に入りますよ。「海門寺バス停」もありますので目印にしてくださいね。
小路を進むと門が見えてきました。
駐車場はお寺に向って左側にありました。
外にある手水舎には、水かけ観音様がいらっしゃいました。
手と口を清めたあと、お水をかけさせていただきましたよ。
海門寺さんの向拝は、あの門前・總持寺祖院の山門を建てた名工・柴田眞次によるものです。
向拝(こうはい)とは、仏堂や社殿の屋根の中央が前方に張り出した部分のことです。
横から見ても前から見ても立派!!
前田利家公によって再興された海門寺。
前田家家紋の梅鉢紋が戸にしっかり刻まれています。
許可をいただきましたので本堂の中も撮らせていただきました。
中には、山号が書かれた額が。
書は「山岡鉄舟」とあります。山岡鉄舟は幕末から明治にかけて活躍した非常に有名な人物です。
山岡鉄舟の書は門前の總持寺祖院にある襖にも書かれていました。他にも見かけましたし、能登の随所随所に見かけます。
国指定重要文化財 木造千手観音坐像
海門寺さんに安置されている「木造千手観音坐像」は、33年に一度しか開帳されない秘仏となっています。
全国各地の霊木を集めて造像されており、霊感あらたかとして古くより多くの信仰を集めていたそうです。
木造千手観音坐像は平安時代後期の様式を示す観音像であり、像の胎内墨書から保元3年(1158年)に造られたことが判明しています。
これは石川県内最古の在銘彫刻とされています。
2012年9月6日に国指定重要文化財に指定されました。指定されたのは割と最近なのですね!
その指定された2012年に開帳されました。次回は、33年後とすると・・・2045年ですか!!
2012年の御開帳を拝見した方にお話をお聞きしましたら、とても優しいお顔で、おおらかな観音様のようだったとお聞きしましたよ。
そして、門徒さんのお話によると木造千手観音坐像は海に向かって座しており、同じ七尾市内にある寺院、妙観院さんにある観音様とちょうど向かい合っているのだとか。
地形から見て、妙観院さんと海門寺さんは確かに七尾湾をはさんで、向かい合うように建っています。
初代宮崎寒雉作 梵鐘
本堂の奥に、見所がありますよ。
初代加賀藩御用釜師 宮崎寒雉(みやざきかんち)作 梵鐘
です。こちらは七尾市指定文化財に指定されています。
こちらもなんと七尾市で最も古い梵鐘とされています。戦時中、広く金属回収されましたがこちらの梵鐘は初代宮崎寒雉作であったため供出を免れたそうです。
七尾市指定文化財 三十六歌仙額
まだまだ見所がある海門寺さん。七尾市指定文化財 三十六歌仙額があります。
三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)とは、
藤原公任の『三十六人撰』(さんじゅうろくにんせん)に載っている平安時代の和歌の名人36人の総称です。
江戸時代の1664年のものとされています。
こちらは江戸時代後期、明治初期の絵馬。
本堂に入り、見所がたくさんあるのでついきょろきょろとしてしまいました。
海門寺 涅槃会
海門寺さんでは毎年3月の第一日曜日に「涅槃会(ねはんえ)」が行われます。
涅槃会とは、お釈迦様の涅槃(入滅)にあたり、五色の団子を撒く「だんごまき」法要です。
このような乾燥した五色のお団子、観たことはありませんか?
お釈迦様の遺骨に見立てた色とりどりのお団子。地域の方々により作られたものです。
松本道夫住職さんのとてもよく通るお声での法要のあとに、「だんごまき」が行われます。
地域の住民の方や子どもたちが海門寺さんに集まってきていました。
ずっと続けられている町の大切な行事です。
子どもたちは楽しそうに、まかれたお団子を拾っています。
美しい五色のお団子です。
私も、いくつかいただきました。
お団子は乾燥しており、持っていて御守りにする方が多いようです。
でも、持ち帰ってすぐに火にあぶって食べても良いのだそうですよ。
海門寺 年中行事
新春祈祷会 1月1日~3日
涅槃会(団子まき) 3月第一日曜日
降誕会(花まつり) 5月8日
大般若会、観音祈願会 6月17日
魂供会 8月7日
千日詣り(大念珠繰り) 8月9日
祠堂経 10月最終日曜日
成道忌、しまい御講 12月第一日曜日
除夜 12月31日
(海門寺 案内パンフレットより)
海門寺 拝観
海門寺さんでは、本堂など伽藍内可能です。
拝観時間は 8:30~17:00 です。
門をくぐると清々しく綺麗にされており、美しいお寺でした。見所がたくさんありました。
【曹洞宗 大龍山 海門寺 詳細】
七尾市大田町5部74番地
0767-52-3888
●能登観音霊場 第五番札所
●七尾地蔵尊霊場 結願第二十四番札所
●能登七福神霊場巡り(弁財天)