のとルネアンバサダー、イベント担当るっちです。
石川県七尾美術館に素晴らしい展示がやってきましたよ。
このビーズ展を観覧すると、ビーズの歴史的価値や意味にきっと驚くと思います!
自分の思い描いている「ビーズ」の認識がここで大きく変わりました!
Contents
石川県七尾美術館初の民族文化に関する展示
石川県七尾美術館。
七尾市は長谷川等伯生誕の地で、毎年長谷川等伯展を開催、
そして日本で4~5か所のみの開催であるイタリア・ボローニャ国際絵本原画展が行われている素晴らしい美術館です。
その石川県七尾美術館で初の民族文化に関する展示です。
ビーズ展 会期中は無休!
国立民族学博物館コレクション ビーズ ーつなぐ・かざる・みせる
石川県七尾美術館
会期 2022年7月30日(土)~9月11日(日)
※会期中 無休
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧料 一般800円 大・高校生350円 中学生以下無料
2022年7月30日 国立民族学博物館コレクション ビーズ ーつなぐ・かざる・みせる 開会式
2022年7月30日、ビーズ展の開会式がありました。
開催初日からたくさんの観覧客がいらっしゃっていましたよ。
それもそのはず、初日のこの日は、本展監修者の国立民族学博物館教授・池谷和信氏によるギャラリートークがあったのです。
貴重な展示のお話を池谷先生から直接聞きながら観覧することができました。
こんな機会は滅多にありません!
池谷先生により、ビーズ作品の魅力についての説明がありました。
池谷先生のトークは、「いかにビーズが素晴らしいか!奥深いか!」というビーズ愛を伝えるものでした。
表現がとても楽しくて面白く、賑やかに進行しました。
作品ひとつひとつの解説に愛がこもっているので、観覧は時間が経つのがアッという間でした。
12万年前からあるビーズの歴史
ビーズ、といいますと、女性の装飾品だというイメージの方が多いのではないでしょうか?
確かに、ビーズはその多くは装飾品なのですが、装飾品の歴史はわかっているだけでも旧石器時代から確認されています。
なんと、12万年前です。
世界中の古い歴史を見ても、装飾品は女性だけのものではありません。
古い時代であればあるほど男性、そして社会的地位のある人が身に着けることができたものです。
そう考えると、ビーズというのは歴史的に重要な意味合いを持ち、権力などを示すツール、社会的特徴も表現できる重要な存在だったのではないでしょうか!
ビーズは歴史を紐解くカギ
古代のビーズは分析により、おおよその年代がわかります。
それだけでなく、発掘されたその土地の特色や文化も反映していることが多いのです。
ビーズの概念とは
開催初日、池谷先生のギャラリートークから改めて認識したことは、
ビーズとは、「もの」と「もの」をつないだもの
ということです。「もの」に穴をあけて数珠つなぎにしたもの。
そういえば数珠も、代表的なビーズの種類のひとつです。
お数珠の展示がありました。
こういった視点に気づくと、今の私たちの生活や、過去の長い歴史の中にもビーズというものはたくさんあることがわかりますね。
素材は様々!古代からのビーズ
古代からあるビーズの存在。
現在私たちの身の回りにあるビーズはガラスによるものが多いと思います。
古代にはガラスはありません。
昔は、動物の骨、歯、鳥の羽、などなど・・・素材は様々です。
例えば、獣の犬歯でできたネックレス。
獣に犬歯は2本しかなく、ネックレスにするにはたくさんの獣の数が必要だと思われます。
それを手に入れるための労力がいかばかりか・・・
この一つのネックレスを作ることがどれほど大変かが、このビーズからわかるのです。
その貴重性を装飾品とした社会的背景を感じることができます。
長谷川等伯とビーズ
能登、七尾と言えば日本を代表する絵師、長谷川等伯の出身地。
今回の貴重な展示が能登で開催されるからには、長谷川等伯の作品を通してビーズをみてみましょう、ということで特設されました。
長谷川等伯の複製作品(右)について説明をする池谷先生。
画の中の仏さまは、様々な装具を身に着けています。
これもまたビーズです。
これまでの長谷川等伯の画を見る視点とは異なり、
仏画の中の装飾を見るという視点です。
視点を変えるだけで、長谷川等伯の画を新たに楽しむことができました。
ビーズをまとった仏様
この展示が始まる1か月前に発見され、急遽展示が決まった仏様がいらっしゃいました。
聖観音菩薩立像(年代不詳・所蔵/七尾市妙観院)
古そうな仏様ですが、見事なビーズを纏っているのがわかりますか?
仏様を飾るビーズ。仏様を拝観する際の楽しみ方が増えました。
能登のビーズ
なんと、この能登からも古い時代のビーズが発掘されていますよ。
現在の羽咋郡志賀町(旧富来町)から「子持ち勾玉」が発掘されています。
古墳時代のものだそうですよ。
とても綺麗な状態で保存されていますので、是非、ビーズ展にいらして、ご覧下さいね!
世界のビーズ
第2展示室では、世界のビーズについての展示があります。
石の産地での石のビーズは、石があまりない国では大変貴重なものとして伝わります。
欧州ではガラスのビーズが主流となっていき、その美しさに世界は魅了されます。
こうして交易によってビーズの文化が伝わり、その土地その土地のビーズが世界各地へ広がります。
そして、ビーズの多彩な進化を見ることもできます。
「美」の基準はひとつではない、ということをビーズを通して学ぶことができます。
世界最大級!ビーズの人像
こちらは、ナイジェリアのビーズでできた人像です。
大きさは人間等身大ほどもあり、世界最大のものとされています。
日本では、伝統工芸である漆器・輪島塗がたくさんの工程ごとに職人がいるように、
ナイジェリアではビーズでたくさんの工程ごとに職人がいるそうです。
離れてみると、ビーズで出来ているとは思わず、その曲線が見せる錯覚でしょうか、なんだか生きているように感じます。
近づいて見ると・・・確かに、こんなに小さなビーズが織り重なっています!
これはもう、見て感動する芸術品です。
写真では伝わりにくいかと思います。
是非、近くでその素晴らしさを堪能してみてくださいね!
千羽鶴はビーズの一種
このビーズ展でビーズのイメージがガラリと変わりましたが、
さらに私が驚いたものは、千羽鶴でした。
千羽鶴は折り紙で作った鶴をつないだものです。
「もの」と「もの」をつなぐのがビーズ、なので、千羽鶴はまさしくビーズなのです!
「もの」と「もの」だけでなく、想いと想いも繋いでいるビーズではないでしょうか。
国立民族学博物館 通称“みんぱく”
国立民族学博物館とは、文化人類学・民族学とその関連分野の大学共同利用機関です。
大阪府吹田市にあり、2024年には創設50周年を迎えます。
今回ギャラリートークをして下さった池谷先生は国立民族学博物館の人類文明誌研究部・教授です。
世界中の生き物と人のかかわりを研究しています。
専門分野は環境人類学・人文地理学・アフリカ研究・地球学・生き物文化誌学です。
(国立民族学博物館スタッフ紹介による)
池谷先生の説明は「いかに素晴らしいか」がわかるものでした。
トークと共に観覧することでビーズの奥深さを楽しんで学ぶことができました。
池谷先生のギャラリートークは、最終日9月11日(日)14時からもあります。
ビーズ展の会期中、先生のトークを楽しむイベントが他にもありますよ。
夏休みの自由研究や創作のアイデアに!
石川県七尾美術館の企画として、ワークショップが開催されますよ。
池谷先生がサポーターとして参加してくださいます。
これは面白いに違いありません!定員がありますので、お早めに申し込むことをおすすめいたします(^^♪
大人が参加できる日時もあります。
想像力・創造力がかきたてられる時間となることでしょう。
ワークショップ フィールドワークで発見!ビーズのひみつ
紙とえんぴつを持って、展示の森へ出かけます!
わくわくするような発見やお気に入りのビーズが見つかるかもしれません!
●日時
2022年8月13日(土)①14:00~
2022年8月14日(日)②10:30~ ③14:00~(③は定員に達したため締め切りました)
●場所 石川県七尾美術館
●対象 小学3年生~中学3年生
●定員 各回12名
●サポーター 池谷和信(国立民族学博物館教授)
●参加費無料!
●参加者全員にペーパービーズ手作りキットプレゼント
●お申込み・お問合せ
石川県七尾美術館 0767-53-1500
(定員に達し次第締め切ります)
特別セミナー
ビーズに込められたメッセージー人と仏をかざるー
●日時 2022年8月27日(土)13:30~15:30
●話者 河村好光(石川県考古学研究会副会長)、長岡龍作(東北大学教授)、池谷和信(国立民族学博物館教授)
●コメント 末森薫(国立民族学博物館准教授)
●場所 石川県七尾美術館アートホール
●対象 どなたでも(13時から整理券を配布します)
●定員 先着30名
●参加費無料
撮影OK!SNS投稿可!
今回のビーズ展では、なんとすべて撮影OK!SNS投稿可能!ということです。
これは嬉しいですね!開催初日からさっそくSNSで本展の投稿を見かけました。
見ていると、皆さんのお気に入りや映えるものがわかってきます。
皆さんぜひ観覧をし、撮影しませんか♪
ただし、動画撮影はご遠慮くださいね。
撮影の際は、他のお客様の迷惑になる行為や、フラッシュ撮影、三脚の使用はご遠慮下さい。
近づきすぎて作品に触れないように、ご注意くださいね。
ビーズの販売
ビーズをひとしきり楽しんだあと。ビーズが欲しい!と思ってしまいます。
そんな方々のために、入口ではビーズの作品が販売されていますよ。
多種多様な美しい生き物たちの世界をワイヤー&ビーズアートで表現しているZUVALANGAの作品です。
この生き物の生々しさは、ビーズアートならではでしょうか。美術作品のように見入ってしまいます。
他にも装飾品としてのビーズが販売されていました。
こちらは現地のアーティストによる作品です。
美しい!どれにしようか迷ってしまいます。
さっそく購入して身に着けている方を発見!
お洋服に合わせた色合いで、存在感のあるビーズ!素敵ですね♪
ご本人の許可をいただいて撮らせていただきました。
ビーズってこんなにも奥深いものだったんだ!重要な文化だったんだ!
観覧中ずっと感動してばかりでした。
ぜひ、皆さんも実際に観覧してこの感動を味わってみて下さいね。
【国立民族学博物館コレクション ビーズ ーつなぐ・かざる・みせる】
石川県七尾美術館
七尾市小丸山台1丁目1番地
会期 2022年7月30日(土)~9月11日(日)
※会期中 無休
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧料 一般800円 大・高校生350円 中学生以下無料