pickup
重要湿地指定の七尾西湾でバードウォッチング「田鶴浜野鳥公園」【七尾市】

のとルネアンバサダー観光担当のっちです!

七尾市田鶴浜町にある、野鳥を観察できる施設を紹介します。

野鳥の自然の姿が観察できる田鶴浜野鳥公園

湾岸沿いの道を走っていると、海側に「田鶴浜野鳥公園」があります。

七尾方面から奥能登方面へ車を走らせている時は、見落としやすい位置かもしれません。

その際は田鶴浜町にはいったタイミングで右手側(海側)にある看板を目印にしてくださいね。

一年中、誰でも入ることができる田鶴浜野鳥公園

田鶴浜野鳥公園には野鳥観察のための建物があり、誰でも自由に入ることができます。

24時間、年中無休ではありますが、夜は観察できませんし、渡来する野鳥も冬~春頃までです。

建物の中から七尾西湾に渡来するたくさんの種類の野鳥を観察することができます。

野鳥の飛来状況を学べる田鶴浜野鳥公園

野鳥観察の季節中はもちろん、それ以外の季節でも、野鳥のことを学ぶ施設としても有用です。

田鶴浜野鳥公園への飛来状況や種類などが克明に記録されています。

野鳥観察に必要なものは?

野鳥観察に必要なものは?!それは野鳥への関心と、双眼鏡です!

あとは、寒い時期に観察する機会が多いので、防寒対策でしょうか。

野鳥の自然な姿を観察するためには、野鳥に刺激を与えないことです。

野鳥の生活を崩さないように、観察します。

ですので、人間の話し声が聞こえないように、観察は建物の中から「窓を閉めて」行う必要があります。

(新型感染症対策として、海側ではなく、道路側の窓は開けられています)

野鳥のいる海から距離が出来てしまうので、肉眼では細部までは観察できません。

双眼鏡や望遠鏡があればじっくりと野鳥を観察することができますよ。

この日は、野鳥観察会の方がいらしており、精度の高い望遠鏡で観察されていました。

私もお借りして、見ることができました!

特徴的なオナガガモは多数発見!

望遠鏡にスマホをあてて撮影してみました。できるもんなんですね!

この日、一番多く観察できたのは上記写真の「オナガガモ」でした。

オナガガモは何百羽といました。

少し首が長め。何より特徴的なのは雄の尾羽が長く尖っています。雄は顔の後ろから胸にかけて特徴的な形の白い模様があります。

この写真でも特徴がつかめますね。私が真っ先に覚えた種類のカモです。

雌は全く色合いが違っており、褐色です。他のカモ類より首が長いことで他のカモと区別できます。

種類によって採餌方法が違う野鳥

たくさんの種類の野鳥。

その区別はオナガガモのように身体的特徴、そして色、模様のつきかた、採餌方法によって違うクチバシの形など、さまざまな違いがあります。

ゆっくり観察していると、なるほど、野鳥によって採餌方法が違います!

この日たくさんいたオナガガモの採餌方法はその長めの首を使って「逆立ち」するように餌をとります。

上記写真は、オナガガモがちょうど餌をとっているシーンです。本当に逆立ちしているようですね!

他にも、キングロという野鳥は潜水して水中の魚、貝、水草を採餌します。

ヒドリガモという野鳥は、泳ぎながら採餌することもありますが、浅瀬の湿地では歩きながら草をむしるように水草を食べるそうです。

鳥の種類がわかってくると、そんな行動観察をするのも楽しいですね。

10~15種類の野鳥観察ができました

野鳥は、12月に入って飛来するそうですが、2020年の冬は少し早く、11月に入ってから飛来が観察できたそうです。

この日は1月。複数の人数で観察して確認できた野鳥の種類は以下のとおりです。

・オナガガモ

・キンクロハジロ(パンダのような白黒の模様が特徴的)

・ミコアイサ(活発に潜水して採餌する姿が見ることができます)

・コガモ(小形のカモ類)

・オオバン(首の動きがおもしろい)

・ヒドリガモ(くちばしが短く、雄の鳴き声が「ぴゅー」)

・ハシビロガモ(くちばしを水面につけて採餌する)

・コブハクチョウ(飼育されていたものが野生化しているものです。)

・ホシハジロ(雄は頭部が赤く、眼も赤い)

・カンムリカイツブリ(夏羽では顔のうしろに赤い飾り羽がある)

・モズ(はやにえすることで有名な小鳥)

・大サギ

他の小鳥なども観察されました。

多種多様な野鳥を、図鑑を見たり野鳥の専門書をみたりして識別します。

生態を知ってからまた観察し、行動をじっくり見て、、、と、あっという間に半日、一日が経ってしまいます。

よく見るとオスとメスの動きがわかりますし、オス1羽にメスが何羽もついていく様子も見ることができました。

こうしてゆっくり野鳥を観察することが醍醐味なんだと、野鳥を観察する会の方々は嬉しそうにおっしゃっていました。

確かに、いつまでも見ていて飽きませんでした!

田鶴浜野鳥公園の施設2階も良い展望!

1階部分は土足なのですが、2階へはスリッパに履き替えなくてはいけませんのでご注意くださいね。

2階の窓辺にはカウンターがあり、彩光も十分です。

共同で学ぶことのできる大きなテーブルもあります。

田鶴浜野鳥公園はトイレも完備

寒い日でしたので、お手洗いの場所もチェックしたところ、入口そばに男女それぞれのトイレがありました。

田鶴浜野鳥公園には無料の望遠鏡があります!

二階の特等席にあたる場所には無料の望遠鏡があります。

これで海に浮かぶ鳥を観察することができますよ。

公園の施設すぐそばには大鷺も

雪がまだ降る寒い日ですが、エサを求めて大サギが施設すぐ横を歩いていました。

20分くらいゆっくり観察することができました。

春以降温かい時期には、海風を感じ、散歩するのにも適した施設だと思います。

白鳥も見ることができる田鶴浜野鳥公園

この日は2羽の白鳥を見ることができました。

コブハクチョウという種類で、飼育されていたものが野生化しているものです。

近くの川尻川という河口では約30羽のコハクチョウが見られたそうです。

施設内には白鳥の羽で作られた模型がありました。

白鳥って結構大きいのですね!

日本では稀!ソデグロツルが七尾湾に飛来!

ソデグロツルは日本に飛来することはとても稀だそうです。

稀に飛来しても九州地方だとか。

そんなソデグロツルが2014年、七尾西湾に飛来しました。

田鶴浜野鳥公園の隣町である七尾市中島町。飛来したソデグロツルです。

能登島町在住・垣田美絵さんにいただいた写真です。

当時は珍しいツルを見ることが出来たととても興奮されたようです。

七尾西湾には、こうしたツルの飛来が時々あるそうです。

ツルは基本的に群れでいるそうですが、こうして怪我や病気で群れからはぐれ、単体でいることがあるそうです。

しかし群れに追い付こうとして、単体でもちゃんと大陸にかえっていくのだそうです。

この時のソデグロツルはきっと寂しかっただろうけど、頑張っていたはず!その姿を、写真提供してくださった垣田さんのおかげで見ることが出来ました。

野鳥ってどうして飛来するの?

能登に飛来するのは12月~3月の間。

カモは、中国やロシアの大陸から日本に飛来し、冬を越し、春になったらまた大陸に戻るそうです。

それはなぜ?

渡鳥は、食べ物を求めて南北を渡り飛ぶそうです。

寒い地域のシベリアでは越冬できず、食べ物もないことから、日本に来るのだそうです。そして春になると芽吹く大陸へ戻っていきます。

また、日本で冬を過ごしている間に「つがい」を見つけ、大陸に戻ってから卵を産み、雛を育てます。

基本的に一年で夫婦関係解消だそうですよ。

これは強い遺伝子を残していくための進化の方法です。プラス性の進化を獲得してきたのですね。

たまに、夏も日本で過ごすカモもいるそうですよ。

日本鳥類保護連盟 林 哲さん

この日は、公益財団法人日本鳥類保護連盟石川県支部主催の「冬鳥観察会」が行われていました。

石川県支部 支部長 林 哲 さんにいろいろお話を伺うことができました。

ちなみに、七尾出身だそうです!

環境省指定の「重要湿地」である七尾湾

石川県の形はとても個性的です。

七尾湾もまるで能登半島に守られているかのような形ですね。

七尾湾は、環境省から「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」に指定されています。

生態系のシステムを守ることは人々の生活と環境を守ることに繋がります。

多様な生物が住まうために必要な湿地の保全・再生の取組を活性化することを目指すための「重要湿地」の指定です。

七尾湾はその重要湿地の指定を受けています。

穏かな海・七尾西湾は多様な生き物が集まる海

こちらは七尾市和倉町から田鶴浜町、中島町へ続く湾岸沿いの道です。

七尾湾の西側、七尾西湾と呼ばれている海です。

七尾湾の地形は、栄養豊富で静かで豊かな海として様々な生き物が集まります。

七尾西湾は浅瀬のある海岸で、干潮の時には干潟の出る海岸です。

こうした湿地は栄養が豊富なので、生き物が集まるのですね。

ですので野鳥がよく渡来する場所でもあります。

多様な野鳥がいるということは、多様な食べ物があるということです。藻場がしっかりしており、魚介もいます。

野鳥たちの楽園でもあるこういった湿地は、全国的に年々減少しているそうです。

人的開発行為や、保全管理の不足等による湿地の劣化、地球温暖化や外来種の侵入に伴う湿地環境の変化によるものだと、環境省は説明しています。

その湿地を守るために必要なことは何だろうかと、

野鳥観察を通して学ぶことができます。

この価値を認識してほしいと、私たちは主に野鳥を通して伝えているのですよ、と日本鳥類保護連盟の林さんはお話ししてくださいました。

とても勉強になりました!

野鳥を観察するということ

野鳥観察は、野鳥の身体的種類を見るだけではなく、その採餌方法や群れ方から生態を知り、

そしてどういったところに野鳥があつまるのだろうという関心につながります。

まさに環境教育と言えるでしょう。

この野鳥観察の施設は、社会的教育要素を持った施設なのですね。

【田鶴浜野鳥公園 詳細】
住所  〒929-2121 石川県七尾市田鶴浜町2部1番
電話番号  0767-53-8510(七尾市農林水産課)
定休日 なし
料金 無料
交通アクセス(車)  のと里山海道徳田大津ICより車で約15分
駐車場 あり

 


この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事