
能登半島地震後、今なお爪痕が深く残るこの地で、ひときわ力強く、温かい光を放つお店「炭火ダイニングike」。
今回、私たちが店主の池髙様ご夫妻に伺ってきたのは、決して平坦ではなかった、お店の再開までの道のりです。
全国から寄せられた温かい支援の輪や、思わず胸が熱くなるようなお客様との出会いのエピソード。未来への新たな挑戦について伺ってきました。
Contents
震災当日

元日もお店に立ち、お仕事を終えたご主人がご自宅へ戻られた、まさにその時能登半島地震が起こりました。奥様と子どもさんは、初詣先の気多大社で被災。道が寸断される中、不安な気持ちでハンドルを握る奥さんは、津波警報が出ている道を回避しながら気多大社のある羽咋市から七尾市の自宅まで帰りました。普段は約30分で帰れるのですが、2時間かけてようやく自宅に帰ることができました。家族が再会できたのは、もう日が暮れた頃でした。その晩は小学校の駐車場で、家族みんなで車の中で夜を明かしました。
被災後のお店の様子
自宅は一週間くらい電気が通らなくて、幸いお店の電気は早くに復旧していたのでしばらくは、お店で暖をとりながら暮らしていました。
店の中は、9割の食器が割れた状態、玄関前にあった水槽も無残な姿になっていたそうです。ただ、オープンから3年という新しい建物だったおかげで、お店の建物自体は無事でした。お店の片付けを阻んだのは「お水」でした。2月中旬、一度は出るようになったお水が、またピタリと止まってしまう。そんなことが何度も繰り返され、思うように片付けが進まない、もどかしい時間が過ぎていきました。
お店の再開

ようやくお水が安定したのは2月中旬。その後は何度か止まったこともあったけど2月末には安定してきたので、ご夫妻は3月1日に、お店を再開することを決心します。
「またお水が止まるかもしれない…って不安はありました。でも、私たちのお店に灯りがともることで、『私たちは元気だよ』って、皆に伝えたかったんです。誰かが来てくれれば、きっと人づてに『ikeさん、開いてるよ』って広がっていくはずだから」
その純粋な思いは、「能登中島の駅前で旗でもあげようか」なんて考えるほど、前向きなエネルギーに満ちていました。
建物も牡蠣だなも新しく、幸いにも被害は少なかったこと、米は地元の契約農家からの仕入れが継続でき、商業施設の再開が少しずつ進んだことで、食材の調達もなんとか可能になったそうです。
人の温もりが紡いだ、感謝の輪
驚くことに、ご夫妻は直接ボランティアを頼んだことはなかったそうです。けれど、そのお人柄に惹かれるように、自然と温かい支援の輪が広がっていきました。
「お店のお皿はね、私たちのことを応援してくれる方々が送ってくださったんです」と話す池髙さんの声は感謝の気持ちで溢れていました。
1年で一番牡蠣が美味しい1月、2月。この時期にお店を開けられないもどかしさの中、ボランティアの方や支援者の方々が「ぜひ牡蠣を買わせてほしい」とお店に足を運んでくださったり、県外から注文してくださったりしました。またその牡蠣を県外の朝市で販売してくださるかたも出てきました。また、ご主人も知人のつてで大阪にPRに行ったことで牡蠣の発送が増えたそうです。このように心温まる応援の連鎖も生まれました。
「本当にありがたかったです。色々な形で、たくさんの方が能登を応援してくださって…」
中でも、忘れられない出会いがありました。お店の再開後、ご自身も珠洲市で被災されたお客様が、お会計の際にそっと支援金を置いていこうとされたのです。
「そんな、いただけません!」って何度もお断りしたんですけど…。最後には置いていかれてしまって。他にも、同じようなことがあって、本当に胸がいっぱいになりました。
ご自身も大変なはずなのに、誰かを支えようとする能登の人々の強さと優しさ。その温かい思いに触れることができたといいます。
今シーズン2024年11月のこと
来店客は、被災当初は支援者が中心でしたが、今シーズン(2024年11月〜2025年5月)は観光客も増え、支援者と半々くらいのバランスに。外国からのお客様もちらほら訪れるようになりました。 6月以降は岩牡蠣と定番の定食からお手頃な価格の定食も増やし営業されています。
新しい夢の始まり。「能登の旅が始まる場所に」

ご夫妻は、震災前から新しい事業を考えていらっしゃいました。それは「宿泊事業」。国の補助金に挑戦しては夢破れ、震災で心が折れそうになったことも。それでも諦めずに声を上げ続けるその情熱が、ついに支援者の心を動かしました。夢のトレーラーハウスの設置が実現したのです。
もちろん、開業までの道のりは簡単ではありませんでした。初めての宿泊業は、消防の許可やたくさんの手続きなど、わからないことばかり。「何から始めたらいいんだろう」と戸惑いながらも、一つひとつ丁寧に向き合い、今年の5月、「トレーラーハウス能登 牡蠣の宿ike」は、ついにオープンという嬉しい日を迎えました。
「夜はうちのお店で、能登の美味しい海の幸と地酒をゆっくり楽しんでいただいて。お腹も心も満たされたら、お隣のトレーラーハウスで、ゆっくりと過ごしてほしいんです。そして、ここがお客様にとって『能登の旅の出発点』になったら…と話されました。
「能登へ、いらっしゃい」。あなたの優しさが、大きな力に
「能登に来ないでください」と呼びかけられた、辛い時期はもう過ぎました。道路もかなり修復され、人々は懸命に前を向いています。でも、観光客の足は、まだ金沢で止まってしまうことが多いのが現実です。
「能登には、まだ知られていない素敵な場所や美味しいものが、たくさんあるんですよ。だから、ぜひ一度、遊びにいらしてくださいね」
あなたの「行ってみようかな」という優しい気持ちが、何よりの応援になります。
最後に、店主ご夫妻からのメッセージを
観光でも、応援でも構いません。能登をもっと知ってもらいたい。まだまだ知られていない良い所がたくさんあります。能登に、どうぞ足を運んでください。
「炭火ダイニングike」で美味しい笑顔の時間を過ごし、新たに始められた「トレーラーハウス能登 牡蠣の宿ike」で能登の夜に癒される。そんな素敵な旅が、ご夫妻の、そして能登全体の、明るい未来への大きな力になるはずです。


企業詳細

炭火ダイニングike
牡蠣の漁師をしながら牡蠣料理をふるまう牡蠣のお店です。今朝、海に出て採った牡蠣を洗い、その日のうちに料理に出す、新鮮さが売りです。採れたての牡蠣を炭火で食べるが絶品です。
この牡蠣を焼く炭火のコンロは、全国有数の珪藻土採掘量を誇る能登の珪藻土で作られたものです。
能登の珪藻土はとても質が良いことで有名です。
メニューも豊富で、牡蠣づくしコース、牡蠣を使った料理、牡蠣を食べられない方には能登の食材を使った定食などあり、幅広いお客様に楽しんでいただけます。
営業時間:11:00~15:00(L.O14:00)
17:30~20:00(L.O19:00)
牡蠣シーズン(11月~5月)不定休
オフシーズン(6月~10月)火曜日
夜営業(月木金土日)
住所:石川県七尾市中島町浜田2-10
電話・FAX:0767-66-0255
トレーラーハウス能登 牡蠣の宿ike
一棟貸のトレーラーハウスが合計5台あります。。
ツイン2棟、トリプル2棟となっております。(1棟は現在準備中です)
宿の場所は、炭火ダイニングikeの隣
チェックイン 15:00
チェックアウト 10:00
※価格はご予約サイトにてご確認ください。
※宿泊に関しての人数、プランにつきましては予約サイトにてご確認ください。
※全室禁煙、敷地内に喫煙スペースがございます。
宿泊予約は、公式LINE・じゃらん・Yahoo!トラベル・楽天トラベルで受付中です。
■店舗の紹介記事は、こちらをご覧ください。
公式ホームページはこちら、
炭火ダイニングike https://sukehachi-ike.com/
トレーラーハウス能登 牡蠣の宿ike https://kakinoyado-ike.com/



















