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地域とともに歩む電力会社「北陸電力」
北陸電力は、富山・石川・福井の北陸三県を中心に電力を供給する企業です。電気を届けるだけでなく、地域の暮らしに寄り添い、災害時には命を守る灯りを絶やさないという強い使命感を持った社員の皆さんが働いています。

能登半島地震の発災直後から、七尾支店を中心に地域の復旧・復興に向けた支援活動が始まりました。取材を通して感じたのは、北陸電力の皆さんが「地域の一員」として、顔の見える支援を大切にしていること、そして、民間企業でありながら、地域の未来を共に築こうとする姿勢で、そこに、強く心を打たれました。
元日の地震——使命感で動いた社員たち
2024年1月1日、元日。家族と過ごすはずだったその日、能登半島を襲った大地震により、北陸電力七尾支店の社員たちは一斉に動き出しました。休日にもかかわらず、多くの幹部社員がその夜には会社に集まり、24時間体制での対応が始まりました。
現場で電柱を立て直すのは北陸送配電の作業員ですが、北陸電力七尾支店はその裏方として、作業員が安心して働ける環境を整えることに尽力しました。寝場所、食糧、飲料の確保など——それは想像以上に大変な作業でした。
被災地では宿泊施設も大きな被害を受けており、通常ではお客様に提供できないような壊れた公共施設やホテルの一室を、雑魚寝でも構わないと使わせていただき、作業員の寝床を確保しました。

また、電気が通らない地域には発電機車を配置。避難所や学校など、命を守る場所に電気を届けるため、ガソリンで動く発電機車を運びました。ところがこの発電機車は約6時間で燃料が切れてしまうため、社員は車内で待機し、時間が来ると給油を繰り返すという過酷な作業を続けました。

道が崩れ、夜間の走行は命がけ。それでも毎日、輪島と珠洲へ交互に水や食料を運び続けました。社員の中には、自宅が全壊・全焼した方もいました。それでも「命を守る明かりを届けたい」という強い使命感で出社された姿に、支店長は「心から感謝しています」と語ってくださいました。

誰も経験の無い未曾有の危機に際して、話し合いからアイデアが生まれ、全社一丸となって解決する中で心が一つになり、一体感が生まれたのも感じられたとも。
一部孤立地域を除いたほぼ被災地全域で、およそ1週間以内には電気が使えるようになっていたそうです。取材を通して私自身が気づかされたのは、「電気が早く復旧して助かった」と安易に思っていたその裏側に、どれほどの苦労と使命感があったかということです。断水の中でも電気が使えたのは、北陸電力の皆さんのこうした献身によって支えられていたからでした。
さらに、こうした災害時には、全国の電力会社との平時からの協定により、応援部隊が派遣される体制が整っているそうです。今回も、協定に基づき他県からの応援が入り、復旧作業を支えてくれました。北陸電力もまた、過去には千葉の台風や山口県の山火事の際に応援に駆けつけた経験があり、電力会社同士の助け合いが、災害時の命綱となっているのです。
このような支え合いの輪の中で、北陸電力七尾支店の社員たちは、使命感と誇りを胸に、地域の明かりを守り続けました。彼らの姿は、災害時における「見えないヒーロー」として、私たちの記憶に刻まれるべきものだと思いました。
今回取材に対応してくださった曽我さん、斉藤七尾支店長、石塚さんです。(写真左から順に)

皆様に、一番大変だったことを伺ってみましたが、「大変だったとは思うが大変さを忘れてしまった」と笑いながら言われました。きっと当時は、息をつく間もないほど、次から次と未経験のトラブル対処で毎日必死だったことは想像に難くないのですが、あまりにもいろいろありすぎて、簡単に思い出せないと言う感覚は、同じ被災地にいた地元民としては分かる気がしました。今、こうして笑っていられる日々のありがたさを改めて感じました。
花とクラフトで心をつなぐ「花プロ」と七尾支店の独自支援
震災後、仮設住宅での暮らしは孤独になりがちです。そんな中、北陸電力が始めたのが「能登復興 花を届けようプロジェクト」、通称「花プロ」。プランターや植木鉢に植えられた花々を届けることで、住民の方々が少しでも心を癒し、コミュニティのつながりを感じられるようにという願いが込められています。
この活動は、何か地域のために出来ることはないかと、自治体から直接課題を聞き取り、その解決策として考え出されて生まれたもの。輪島、珠洲、能登町、穴水町など、奥能登の各地で実施され、大変喜ばれたそうです。

さらに七尾支店では、独自の支援としてクラフト教室を開催。仮設住宅を訪れ、住民の方々が好きなクラフトを選び、手を動かす時間を通して心のケアにつなげたいと考えています。
地域とともに—カルテットの誕生と防災協定
北陸電力七尾支店は、地域の企業と連携し「カルテット」という清掃活動をスタート。これまでは単独で行ってきた清掃ですが、七尾市の御祓川沿いにある、北陸銀行・北國銀行・のと共栄信用金庫とともに協力して行う取り組みとしてパワーアップしました。青柏祭の前には、地域の美しさを守るために力を合わせました。

また、災害時の初動を早めるため、地元スーパー「どんたく」との災害時の食料運搬協定を締結。これは、どこの地域においても平時に準備をしておくと良いことなのではと思いました。
民間企業でありながら、地域に寄り添う企業としての責任ある姿勢が感じられました。
次の災害に備えて—太陽光と蓄電池の提案
北陸電力は、復興を5年、10年という長いスパンで捉えています。自治体の課題を丁寧に聞き取り、太陽光パネルや蓄電池の設置など、次の災害に備えた提案も進めています。
また、社員一人ひとりがいざというとき「何をすべきか」を迷わず行動できるよう、震災時の対応カードを個別配付し、また、初動実施マニュアルも整備。経験を次に活かす姿勢が、企業としての責任感を物語っています。
息の長い支援と、地域の皆さまへのお願い
北陸電力七尾支店では、今回の震災を通じて得た経験をもとに、今後も「花プロ」やクラフト教室などの支援活動を継続していく予定だそうです。地域の声に耳を傾け、できることから始めるその姿勢は、これからも変わらないようです。
今回の取材を快く受けてくださった理由のひとつに、「北陸電力の支援活動をもっと知って、利用してもらいたい」という思いがあったそうです。まだ知られていない支援のかたちも、きっとたくさんあるのだと思います。
地域でのイベントなどの際には、ぜひお気軽に北陸電力七尾支店さんに声をかけてみてください。電気のことだけでなく、子どもたちが喜ぶ工作ブースの出店など、きっと力になってくれるはずです。


「こころをひとつに能登」…その言葉の通り、地域の皆さんとともに歩む北陸電力さん。顔の見える電力会社として、日々私達の暮らしを支えてくれていること、そして復興に向けても力強い支えとなってくれることを改めて実感させて頂きました。
企業詳細
北陸電力七尾支店
住所:石川県七尾市三島町61-7
お問い合わせ先
お客様サービスセンター
電話:0120-776453
月~金曜日9時~17時受付(祝日・年末年始を除く)


















