「のとルネ100人女子会」開催のご報告

のとルネ実行委員会代表の山﨑香織です。
2024年2月3日、コスモアイル羽咋にて、約50名のご参加をいただき、第6回のとルネ100人女子会が開催されました。

ご参加いただきました皆さまからのご意見を箇条書きですが一部ご紹介します。
後日、しっかりまとめて記録として残したいと思っています。

第一部 災害の体験の共有

第一部では、今回の地震を体験して感じたこと、災害に対する備えとして、役立ったこと、足りなかったこと、避難生活で大変だったこと、被災地以外にいて困ったことなどのお話をしていただきました。

●指定の避難所がわからなかったリ、遠かったりして、結果自主避難所にいてしまい、支援物資が届かなかった。
●始めの2~3日、物資も届かず不安でつらかった。
●揺れを感じたときに、机の下に隠れるのではなく、状況を判断して直ぐに外に出ることも必要だと思う。学校での避難訓練の仕方も再考が必要。運動場に出て終わりではなく、その後も大事。
●行政機関の平時と非常時の対応の柔軟度の切り替えを予め決めておくべき。個人での判断ができない人が多いように感じた。
●津波からの避難で高台に逃げる為に、大渋滞になった。駐車場についてもいっぱいで入ることができず戻る人もいた。
●高齢者が「死を覚悟」して、逃げてくれず周りはかなり困った。
●子供さんがいる方の体験から
 ・避難所では何を食べさせていいのか、オムツはどうすればいいのかに困った。
 ・もし学校にいる時に発災したら、子どもの引渡し訓練がされていないので、スムーズな引渡しはできない。
●辛くても声を上げない人が多い。
●断水のためトイレに困ったので、備蓄に凝固剤などが必要。
●避難所の管理者によって環境がかなり違い、不公平感がある。
●在宅避難だと炊き出しや支援物資が必要なのに、避難所ではもらえず困った。
●能登に来るな!ではなく、最初から七尾市を奥能登支援の拠点とするべきではなかったか。
●家の片付けのボランティアをお願いしているが未だに来て貰えない。
●支援したい人と支援が必要な人がたくさんいるのにマッチングする機能が不全。

 

第二部 災害に強いまちづくりについて

今後復旧、復興に向けてまちづくりをするにあたって、今回の反省・経験を生かして、災害に強いまちにするために、必要だと思われることについてお話しいただきました。

●水道管の強化が必要。老朽化している地域はすぐにでも修繕すべき。
●複数の交通路の確保が必要。
●避難所運営をする為の人材育成が必要である。人によって対応が違わないように、分かりやすく簡潔な、避難所内で共有できる運営マニュアルが必要!詳しすぎると逆に使えない。
●できる人(役職を持った人)に、頼りすぎることで負担が重くなるため、若い人にも活躍してもらう必要がある。
●ある程度落ち着いたら、早い段階から自分たちでできることは、当番などを決めてやる避難所での仕組みが必要。
●普段からゴミの分別やトイレ掃除など家事をやっていない人は、避難所での共同生活においては周りからひんしゅくを買っていたので、最低限の家事は男性女性にかかわらず日頃からやっておくべき。
●高齢者へ情報を届けるためには、コミュニティが必要、それを伝えるためのネットワーク作りが必要だと思う。
●防災無線が聞き取りににくいので、各家庭に防災ラジオのように確実に伝わるものがあると良い。
●電力の回復が早かったのは、指示系統がしっかりしていたから。水道に関しても民間がした方がよいのでは。
●指定避難所ではなく、近くの集会所や公民館に集まってしまうので、避難所の見直しが必要。
●早期に指定避難所に集約して、足のない高齢者のために、自宅の片付けなどに行けるように定期的に送迎バスなどを用意できるシステムを作っておく。

追加テーマ:避難所について

避難所からの自立とは?

●自立とは、自分で考え行動できること。
●精神的に不安な人もいるので、メンタルケアをして寄り添い次の行動ができるように支援していく。
●どの段階で避難所を出るかは様々なので、1人づつヒアリングする。
●少数の避難所はまとめる。しかし、そうなると自宅から遠くなるので困る人のための足を用意する。
●1.5次避難所が遠すぎるため、自宅の様子を見に行く時に渋滞する。
●仕事(収入)がないと自立できないので、有償ボランティアとして、被災した人が現地で収入を得られるようにする。
 そのため、自分たちでボランティア団体を立ち上げることも必要。
●炊き出しなどのボランティアへ行った場合、避難所運営側と支援者側のズレが生じていた。
●小さなコミュニティ単位で、避難所を指定していくとよいと思う。
●世界的なスフィア基準(被災地での人権を守るための基準)に対して、日本は程遠いと思う。

第三部 能登の復興について考える

こちらについても様々な意見が出されました。

もともと少子高齢化で消滅可能性都市と言われていた地域だけに、元に戻すのではなく、今だからできる大胆な復興案が必要と考えられている方が多いようでした。

住まいに関しては、今回の地震で、奥能登に孤立集落となってしまった地域がいくつかあったので、人口をどこかに集中させて、そこから観光名所、施設などに仕事に行くようなスタイルにしてはどうかと言う案も出ていました。

●能登空港が残っているので、ここを中心とした観光を考える。
●カジノ・リゾート計画(例:能登島をディズニーランドに!、和倉温泉街をラスベガスに!)
●伝統工芸・温泉・観光・芸術・漁業・祭り文化に特化した町にする。
●奥能登に介護タウン(介護施設、スタッフの住居、学校、飲食店)を作る。
●自分の事は自分でするというように、自立した人を増やす。
●30~40才の若者から意見を聞く。

100人女子会を終えて

今回、開催すべきかどうかからの判断となり、内容を変えて、今だからできる話をして今後に生かしたいと思い、日程を延期し、場所も変更しての開催となりましたが、実際お集まりいただいた皆様のご意見を聞いて、本当に開催して良かったと思いました。

能登の今後に向けて、前向きに話ができる元気な女性たちの姿を見ているだけでも、これからの能登に希望が持てる貴重な時間となりました。

多くの参加者の方に共通していたのは、「ピンチをチャンスに変えるんだ!」と言う強い決意結局どんな立派な防災システムを作っても、最後は運用する人の能力の問題になるので、「リーダーシップのとれる優秀な人材の育成が重要だ」と言う考えでした。

これからの能登の各地の復旧、復興の舵取りを安心して任せられるリーダーは誰なのか?いずれ選択を迫られる機会もあるかと思います。これまでは誰がやっても同じと思ってあまり関心が無かった方でも、今回の災害で、リーダーの資質が自分の生活、下手をしたら生死にまで関わると実感されたかもしれません。能登の復旧、復興は、人任せにするのではなく、自分たちでもしっかり考えて、二度とはしたくないけれど、無駄にはしたくない被災地での経験をいかし、安心して住める街、子供達に安心して残せる街にして行くために、今、できることを考え、やり続けないといけないと、改めて感じる時間となりました。

お忙しい中、又大変な状況の中、貴重な時間を共有してくださった参加者の皆様に心より感謝いたします。ありがとうございました。


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