能登國二ノ宮天日陰比咩神社と「どぶろく」の魅力 | 中能登町

能登半島の中ほどに位置する、石川県鹿島郡中能登町。

こちらにとっても素敵な神社がありますよ。

その名も天日蔭比咩神社(あめひかげひめじんじゃ)。なんだか神秘的な名前です。

神秘の歴史と由緒

能登國二ノ宮 天日陰比咩神社は、今から約2000年前の天皇である第十代崇神(すじん)天皇の代に、特別に朝廷から幣帛(へいはく:神様にお供えする布や紙など)を賜り、崇敬された格式の高い神社です。

平安時代中期の法律書である『延喜式(えんぎしき)』にも記載されている、古い歴史のある神社です。

社殿の後方にある山は天日加氣山(あめひかげやま)といい、頂上には雨乞い所で、中腹には11代天皇・垂仁(すいにん)天皇の第一皇子である印色之入日子命(いにしきのいりひこのみこと)の御陵墓趾があります。



主祭神は、

天日陰比咩大神(あめのひかげひめ)

屋船久久能智大神(やふねくくのち)

とあります。

崇神天皇と垂仁天皇

第10代崇神(すじん)天皇と第11代垂仁(すいにん)天皇は、古墳時代に遡る天皇です。

伝説が有名なヤマトタケルは、第12代景行(けいこう)天皇の皇子ですので、その時代よりもさらに昔ですね。

同じ中能登町には崇神天皇の皇子・大入杵命の御陵「小田中親王塚古墳」があります。

崇神天皇の皇女である沼名木入比賣命(ぬなきいりひめのみこと)を祀る能登比咩神社もあります。

中能登町のお隣の羽咋市・羽咋神社には垂仁天皇の皇子・磐衝別命の御陵があり、祀られています。

崇神天皇と垂仁天皇の皇子・皇女がこの中能登町周辺に集まっているのは神秘的だと思いました。

雨が降ると喜ぶ神社

天日陰比咩神社の後方の山天日加氣山(あめひかげやま)頂上では雨乞い所であり、「雨」が降ると良いとされています。神社の名前にも「あめ」が入っています。

実際に天日陰比咩神社で行われる大祭では、たいてい雨が降るそうです。「雨が降ると神様に通じる」といって参拝者の方々は喜ぶそうです。



実は取材時も雨が降っていました。

雨の天日陰比咩神社は、緑がとても美しく、雨音とともに蝉の声、鳥の鳴き声が聞こえる気持ちが澄みかえるような場所でした。

能登國二ノ宮の由来

天日陰比咩神社のある住所は「二宮(にのみや)」といいます。

昔は、この神社境内に天日陰比咩神社と伊須流岐比古神社(いするぎひこじんじゃ)の二つの宮が鎮座されていたことから、二宮と云うとのこと。伊須流岐比古神社は現在の石動山山頂(大御前)にあります。

どぶろく神社である天日陰比咩神社

天日陰比咩神社は、全国で8万社もある神社のうち、30社弱しかない「どぶろく」の醸造許可をとっている神社です。北陸地方では4社となっています。

うち、福井の神社では醸造許可はあるものの、後継者不足で現在は醸造しておらず、北陸では実質3社となっています。その3社は天日陰比咩神社、能登部神社、能登比咩神社と、すべて中能登町にあります。

どぶろくとは

どぶろくとは、日本の伝統的なお酒のうち、米と米麹と水を原料として発酵させただけで漉す工程を経ていないお酒です。日本酒の原酒であり、「どぶろく」を漉したものが日本酒となります。漉した後の個体は「酒粕」です。

どぶろくを飲んでみますと、漉されていないので口当たりが独特です。芳醇な香りと甘さ、時にははじけるような刺激と、表現が多種多様です。

というのも、どぶろくはお米の状態や気候により毎年味が変わります。瓶詰されて販売されているどぶろくも、飲む時期によって味が違います。製造元によっても味は違いますし、どぶろくの味は一様には言えず、味の一期一会といえます!それがどぶろくの魅力とも言えます。

どぶろくの効能

原料を濾していないので、栄養豊富なのもうれしいポイントです。

・コレステロール低下

・便秘解消

・美肌効果

と、あります。美容と健康!いいことづくしのどぶろくです。

天日陰比咩神社みくりや

天日陰比咩神社では、奉納されたお米でどぶろくを醸造しています。

境内にあるみくりやにおいて、毎年11月に作られます。能登の美味しいお米と、天日加氣山からの湧き水により仕込まれ、みくりやにある大きな瓶で発酵を待ちます。

毎年国税局にある検定を受け、アルコール度数は20度以内に調整されます。

検定後、天日陰比咩神社で毎年12月5日に行われる新嘗祭で神様にささげた後、一般参拝客に振舞われます。

新嘗祭は、天日陰比咩神社では「どぶろく祭り」とも言っているそうです。

あくまでも神様への奉納酒であるので、まずは神様がいただくのですね。

天日陰比咩神社で醸造されたどぶろくは、その後初詣参拝客にふるまわれたり、神社で参拝後の御神酒としていただくことができます。

醸造するどぶろくの量にもよるのですが、毎年1、2月でお配りするどぶろくはなくなってしまうそうです。

どぶろく特区の中能登町

天日陰比咩神社では古くから祈願祭や収穫祭において、神様に捧げるお酒としてどぶろくが醸造されてきました。

それ故、醸造許可がある3つの神社がある中能登町は「どぶろく特区」に認定されました。

平成26年に認定を受けたことにより、中能登町では農家民宿や農家レストランにおいてどぶろく醸造が可能になりました。

能登のお米で製造されるどぶろく。能登の自然を凝縮したお酒を味わいに是非中能登町へお越しいただきたいですね。

全国どぶろく研究大会in中能登町

どぶろく特区であるこの中能登町で、2026年1月16日「第17回全国どぶろく研究大会」が行われます。

中能登町ラピア鹿島の会場に、全国のどぶろく特区の関係者が集まり、技術向上や地域振興に向けて情報交換することを目的で開催されるます。

全国のどぶろく約80種が集ります。

そして翌日の1月17日には天日陰比咩神社において利き酒交流会が行われるそうです!この日は一般客も参加でき、イベント開催となるそうです。

全国のどぶろくと天日陰比咩神社で醸造されたどぶろくを味わうことができる貴重な機会です。これは楽しみですね!

まるでジブリの世界!幻想的な境内

神社の境内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、まるで映画のワンシーンのような、神秘的な雰囲気。木漏れ日が差し込む参道は、清々しい空気に満ちていて、歩いているだけで心が癒されます。

1拝してから鳥居をくぐりますと、愛らしい「逆立ち狛犬」がいますよ。可愛い仕草の狛犬、やや低めですので、お見逃しのないよう!



進むと「みくりや」が。

ここは、先述した「どぶろく」を醸造する場所です。



本社に向かう前に、手水舎でお浄めをしましょう。

手水舎の水は、天日陰比咩神社の後方の山から湧き出る湧き水です。

夏場は冷たく、冬場はあたたかい有難いお水です。

こちらの湧き水は、みくりやの横にある蛇口から汲むこともできます。近隣の方が汲みにいらっしゃるそうですよ。



とても豊富な湧き水ですが、この境内の中を通る「あめひ川」もたっぷりの水量です。

水の流れる音が清々しく、小さく架かる橋の上で川の水音を聞いていると見も心も清まっていく感覚になりました。

「あめひ川」という碑のすぐそばの橋の上でしばらく足を止めてみてくださいね。



そして、本社の両脇にある御神木の杉は、圧倒的存在感です。

取材時、雨が降っていたのですが、生い茂った枝と葉が雨を若干防いでくれていました。



本社の右奥には小さな池があります。こちらには山の上方から引いた湧き水が豊富に流れ込んでいます。そして大きな、金魚。鯉ではなく、金魚だそうです。美しい湧き水で悠々と泳ぐ金魚が気持ちよさそうです。



正面の本社でニ礼ニ拍手一礼をし、お参りさせていただきました。

御朱印とおみくじ

天日陰比咩神社にはお札・お守り授与所があります。

そちらで御朱印を求めることができます。
花みくじという可愛いおみくじも見つけましたよ。
参拝した際に、ひとつひいてみました。
花言葉と合わせた内容のおみくじで、普通のおみくじとはちょっと違っていましたよ。

おみくじであまりよくない言葉が出た時は、「悪運を神社に預けるため」に結んでいくといいます。
その際は拝殿横に結ぶ場所がありますので、残していってくださいね。

天日陰比咩神社の禰宜である舟木清崇さんは近隣の11の神社の宮司も兼務されています。

中でも中能登町久江にある久氐比古(くてひこ)神社は全国で唯一かかしの神様を主祭神としているとても魅力的な神社です。

こちらの記事もどうぞご覧ください。

能登國二ノ宮 天日陰比咩神社(あめひかげひめじんじゃ)詳細

石川県鹿島郡中能登町二宮子甲8

Tel.0767-76-0221

交通アクセス(車)

●JR七尾線良川駅から約4km(車約7分)

●JR七尾線能登二宮駅から約2km(車約4分)

●北鉄バス二宮バス停から700m(車1分、徒歩5分)

駐車場 あり(約70台)



恒例祭

●新年祭 / 一月一日・二日・三日

●祈年祭 / 三月二十日

●春季祭 / 四月十八日頃

●例大祭・麦祭 / 六月十五日

●夏越大祓 / 六月三十日

●夏 祭 / 七月 第二日曜日頃

●秋季祭 / 九月 第二日曜日頃

●新嘗祭(どぶろく祭り) / 十二月五日

 


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