2025年春の能登半島地震・豪雨で被災した穴水・輪島・珠洲の現状

2024年4月12日の奥能登

2024年1月の能登半島地震、9月の豪雨で被災した能登。

復興がなかなか進まないと言われていますが、今回、穴水から輪島、珠洲と海岸線を周り、震災前にご紹介してきた観光地や施設、お店などがどうなっているのか、現状を確認してきました。

穴水までの道路事情

被害が大きく、しばらく通行止めとなっていたのと里山海道ですが、現在は全線通行可能となっています。

ただし、道路の凹凸や急に盛り上がっている箇所、左右の陥没を避けての迂回箇所などが多くあり、慣れていない方は先が見えにくい夜間や早朝の走行は避けて、大津インターから下道を走られた方が安全かと思います。

穴水町

道の駅 あなみず 四季彩々

早朝で、道の駅の営業時間前でしたので、中は確認できませんでしたが、9時~17時半で営業されているようでした。

長谷部神社

鳥居のそばの灯籠が片方落ちてしまっていましたが、お社自体は外から見る限り大きな被害はないように見えました。

輪島市

茅葺庵 三井の里

のとルネでもご紹介していた眺めの良いお食事処でしたが、現在は「のと復耕ラボ ボランティアBASE三井」となっていました。早朝ではありましたが、すでにボランティアの方々が活動を始めていらっしゃいました。

道の駅 輪島ふらっと訪夢

昔の線路など、一部被災した様子でしたが、ふらっと訪夢もうまいもん処も営業はされているようでした。

一本松公園

ふもとの方の遊び場横には仮設住宅が並んでいましたが、高台の桜並木はちょうど満開で大変美しかったです。

 

朝市通り

すっかり様変わりした朝市通り。焼け跡も、すでに解体、撤去されてどこに何があったのか分からなくなっていました。

震災前の様子はこちらから。

キリコ会館

こちらは休館中です。

震災前の様子はこちらから。

重蔵神社

震災後は、貴重な支援物資の受け入れ、配布場所となっていました。

震災前の様子はこちらから。

輪島温泉郷 湯楽里

休業中でした。駐車場はカーシェアリング協会さんの車両置き場になっているようでした。

震災前の様子はこちらから。

道の駅 千枚田ポケットパーク

道の駅は休業中でしたが、4月26日~5月6日は期間限定でオープンされるようです。

トイレ、自販機はご利用頂けます。

駐車場から千枚田を見下ろすことが出来ます。

この時は、修復作業をしている重機と、田植えの準備をしている方々も見えました。

震災前の様子はこちらから。

輪島から珠洲への道

今回、たまたま週末に行ったおかげで、平日は一般車両が通行できなくなっている海岸沿いの道が解除中となっており、通ることが出来ました。※車がすれ違えない道幅で、所々に待避所が設けられており、対向車と道を譲り合いながら進む形になっていますのでご注意ください。

奥能登絶景海道ともよばれる、自然の景観など,見所がたくさんあった道路ですが、あまりの変わり果てた姿に絶句してしまいました。

かなり海寄りに、部分的にはかつて海だったような場所の上に作られた細い道を走っていると、左手には流木の山や、隆起した海岸、右手には地震により崩壊している道路だったと思われる箇所や、土砂崩れにより埋もれたままになっている道路が延々と続き、復興どころか、復旧するイメージすら持つのが難しいように思えてしまいました。

これまでも、たくさんの映像を見ており、地震と豪雨による被害の大きさは想像していたつもりですが、それを遙かに上回る被害の大きさ、まさに想像を絶する甚大な被害状況でした。

名舟漁港付近

隆起した部分や、大量の流木が確認できます。

里町付近

土砂崩れで通行できなくなっている道がいまだにそのままになっている箇所が多く、被害の大きさを実感しました。

片側交互通行の箇所がたくさんありました。

窓岩

岩がずれ落ちてしまい、夕日がのぞける窓のような穴が無くなってしまっていました。ロマンチックな観光スポットだっただけに残念です。

元の姿はこちらでご確認頂けます。

道の駅 すず塩田村

平日は輪島からの道の一部が通行止めとなっており、かなり大回りしないといけなくなってしまっていますが、

2025年3月3日より平日のみ、4月1日より毎日9時から16時で一部営業を再開されています。

資料館は現在再開に向けて準備中とのことです。スタッフの方にお声掛け頂ければ、タイミングが合えば、準備中の様子を見せて頂けることもあるようです。

訪問した日、神谷健司駅長にお話を伺えました。

営業再開に至る経緯についてもお話を聞かせて頂きましたが、
かなりご苦労されたようです。

震災後、こちらの施設に水が来たのが1年以上経った2025年の1月だったそうですが、通水後漏水が発覚し、改修後、ようやく断水が解消されたのが13ヶ月以上たった2025年2月20日ということです。つい最近まで断水していたんですね。

道路の復旧に関しても、計画が二転三転し、いつ、どうなるのか先が見えず、復興どころか復旧もままならないと言う状況での経営ということで、本当に大変な思いをされているのがお話から伝わってきました。

再開に踏み切られたのも、休み続けるのも、開けるのも、どちらも大変ですが、道の駅の役割として、せっかく来てくれた方々に、最低限トイレの利用やお土産の購入をして頂けるようにしたいという想いからだったようです。

外のトイレは使えませんが、施設の入り口入ってすぐのところにきれいなトイレが出来ています。

そのまま奥へ進んで頂ければ、資料館の入り口手前、右手にお土産コーナーがあります。人気のお塩はこちらで購入していただけます。

また、正面の窓からは、今回の地震で隆起した海岸の様子が見えます。
こんなことになるのか...見ると聞くでは大違いだなと、ここでも感じました。

震災前の様子はこちらからご確認頂けます。

すず塩田村からそのまま海沿いの道を禄剛埼灯台方面へ走りましたが、まさに言葉を失う様な光景が続きます。ため息しか出ない...そんな時間が続きました。

椿展望台

絶景が望める展望台として人気の椿展望台。

欠けたり、傾いたり、足元がガタガタしたりしていますが、景色は望めます。

海岸線に隆起したと思われる部分も見ることが出来ます。

隣接のつばき茶屋さんも、4月18日から再開されています。

震災前の様子はこちらからご確認頂けます。

ここから、外海(外浦)から内海(内浦)へ海岸沿いを進みました。外海側では、道路の被害や海岸線の隆起などが目につきましたが、内海側では、道路沿いの倒壊した家屋などがそのままになっている様子が多く目についたように思います。

見附島(軍艦島)

まずは、かなり被害が大きいと聞いて気になっていた見附島へ。

あまりの変わり果てた姿にショックを受けられたのでしょう。近くにいた年配の男性の方が「涙が出てくる」と言って目頭を押さえながら、足早に去って行かれました。軍艦にも例えられた以前の雄姿を知る人にとっては、辛く、信じがたい光景だと思います。

こちらが震災前の姿です。

幸せのシンボルだったような鐘撞き台も無残な姿のまま残されていました。

この後、恋路海岸で側面から見た姿は、更に衝撃的でした。

恋路海岸

恋路海岸では、一部岩が崩れたところがありましたが、モニュメントは無事のようでした。

恋路観音像と恋路物語の像も無事に残っていました。

今の能登に是非いらしてください!

今回の取材日はちょうど桜が満開の時期で、この被災地においても至る所で美しい桜を見ることが出来ました。

一本松公園も素晴らしい眺めでした。

お天気もよくて、海も大変美く、牙をむいた自然の恐ろしさと、微笑みかけるような美しさの両方を同時に感じながらの道行となりました。

これまで、奥能登地域の被災状況に関しての情報を聞いたり、画像を見たりして、かなり大変だとは思っていましたが、部分的に切り取られた情報の集合とは比べものにならない程の、目の前に延々と続く圧倒的な量の情報のインパクトはまさに筆舌に尽くしがたく、「是非ご自身の目で見て欲しい!」と言うしかないと思いました。
楽しいだけの旅にはならないかもしれませんが、今だからこそ経験できること、感じられることはたくさんあると思います。能登での宿泊先や食事処、交通など、分かる範囲での情報提供は可能ですので、ぜひ、今の能登にいらしてみてください。


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