アレルギーに関するアンケート調査の集計結果|令和6年能登半島地震

令和6年能登半島地震の経験を今後の支援につなげるために、「マイノリティ支援」に関してアンケートを実施し、内容をまとめました。できるだけ多くの方にご覧頂き、必要性をご理解頂けるように情報発信したいと思います。

今回のアンケートを実施することとなった経緯に関しては、こちらのサイトに詳しく掲載しております。

アンケート結果

性別

【回答】女性 84.6% ・ 男性 0% ・ 回答しない 15.4%

年齢

【回答】ご回答いただいたお子様の年齢は2歳から10歳で、成人の方は、20代から40代の方々でした。

 

避難生活は、避難所でしたか自宅でしたか?(選択式)

【回答】

□避難所(7.7%)  
□自宅(38.5%)  
□二次避難所(なし)
□避難所から自宅(15.4%)  
□その他
 <その他について>
  ・病院から自宅 ・県外の実家から自宅 ・自宅納屋 ・自宅車庫 ・親戚宅納屋

避難生活の期間を教えてください。

【回答】

短い方で5日間、長い方で2ヶ月間という回答でした。また、回答いただいた時点で継続中の方もいらっいしました。

あなたは普段、食事や生活に関してどのような配慮が必要ですか。(複数回答可)

【回答】

□食物アレルギー(例:卵、乳製品、小麦、甲殻類など)※アレルギー特定原材料等28品目以外のアレルギーもすべてご記入ください。・・・(69.2%)

□その他のアレルギー (例:アトピー性皮膚炎、気管支ぜ息など)・・・(92.3%)

□主義、宗教上(ベジタリアン、ハラールなど)・・・(0%)

□その他
 <その他について>
  ・化学物質や食品添加物 ・幼児食 ・魚、エビ、カニ、貝、イカ

上記の必要な配慮について詳しく教えてください。

【回答】

*兵庫県宝塚市では、化学物質過敏症の人向けの避難所の準備や支援者の方は無香料で対応している。このような配慮があって欲しい。

*魚、甲殻類のアレルギーがあり、それらが使われた出汁や練り物でも同様にアレルギーが出るため炊き出しが食べれないことがある。その他の食物アレルギーとして、果物、卵、豆類、小麦、コーヒーがある。また、調味料にもこれらの物質が含まれているとアレルギーを発症していしまう。調理中の揮発する成分でも体調不良となる。

*アレルギー除去食があると良い。

*町や県の支援物資には幼児や子供が安心して食べられるものがなく困った。

*皮膚にアレルギーが出やすいため、避難生活から悪化しアトピーを発症。綿100%の衣類でないと皮膚トラブルを起こすため、衣類の材質に配慮が必要。

*ハウスダストやダニのアレルギーがあるため、体育館でのホコリや空気の乾燥で咳が出やすくなる。空気が乾燥すると咳が止まらなくなるため加湿器の設置の配慮があるとよい。

*アトピー性皮膚炎があるので低刺激性の洗剤が必要である。汗をかいたら早めに洗い流す必要があるため、 断水時は入浴ができないのでお尻拭きなどで体をふく必要がある。

 

食事以外に配慮が必要な方にお尋ねします。避難生活中にどのような困難がありましたか。

【回答】

*避難所では、周囲の方々の合成洗剤、柔軟剤の香り、トイレの芳香剤などの移り香で気分が悪くなる。支援物資にも香料が付いていることで物資をもらこともできない。支援者の香りがつらく体調を崩すこともあった。

*無香料のコインランドリーがないことも困った。アレルギー対応の洗濯洗剤がなかったことや洗濯乾燥機の使用による静電気にも困った。洗濯も分けてできなかった。

*避難所の埃、空気の乾燥により持病が悪化した。また、咳が止まらないことで周りの目が気になった。

*入浴支援、シャワー支援もありがたいが井戸水や海水によって皮膚炎が起こった。

*子どもに対する支援がなく困った。例えば、オムツが早々に打ち切られたり、子ども用の服や下着がなかった。

*給水所は、夕方4時か5時までで仕事帰りは夕方6時頃となるため、誰かに頼まないと水に困った。

*病院になかなかいけずに薬が手に入らなかった。

避難所生活中に、食事についてどのような困難がありましたか。(複数回答可)

【回答】

□食材の情報が開示されていなかったので、食べられなかった・・・(30.8%)

□アレルゲンを含む食材が使われていた・・・(38.5%)

□アレルゲン除去が十分に行われていないと感じた・・・(15.4%)

□必要な食事制限に関する情報が得られなかった・・・(7.7%)

□避難所生活はしていない・・・(38.5%)

□食物アレルギーはない・・・(15.4%)

□その他
*支援物資が提供されないうえ、冷蔵庫がなく調理も湯煎のみと制限されていたため、子どもたちが十分な食事を摂れず、体重が減少して健康状態が悪化した。

*支援食や炊き出しにはアレルゲンが含まれている場合があり、特に卵やタケノコのアレルギーの方にとって食事が難しい状況だった。

*炊き出しが行われても、内容がアレルギーや体調の都合で食べられない場合があり、そのために利用を控える人もいた。

自宅避難の方は、どのような方法で食事をされていましたか。(複数回答可)

【回答】

□炊き出しやお弁当を利用した・・・(30.8%)

□自治体や支援団体から提供されたアレルギー対応食品を利用した・・・(7.7%)

□家族や友人から食料を分けてもらった・・・(69.2%)

□自宅で調理ができた・・・(53.8%)

□自宅避難はしていない・・・(7.7%)

□その他
*自宅で食事を準備するしか方法がなかったため、簡単に用意できる食事で対応した。

*お湯を注いで食べられる食品や缶詰を、ガスコンロで温めて食べた。また、お米を炊いて食事をまかなった。

*金沢の実家や親戚から調理済みの食事を提供してもらったり、アレルギーに配慮した料理を持ち帰って食べたりした。

*アレルギー対応の非常食を事前に準備していたため、それを利用して食事をしのいだ。

炊き出しやお弁当を利用する際に、どのような課題がありましたか。(複数回答可)

【回答】

□食材の情報が開示されていなかったので、食べられなかった・・・(46.2%)

□アレルゲンを含む食材が使われていた・・・(38.5%)

□アレルゲン除去が十分に行われていないと感じた・・・(30.8%)

□必要な量の食事が提供されなかった・・・(15.4%)

□アレルギーの情報は伝えたが、対応はしてもらえなかった・・・(15.4%)

□食事を準備する側に、アレルギーに対する理解、知識がなかった・・・(23.1%)

□特にない・・・(15.4%)

□その他
*炊き出し提供者が香害(香料による健康被害)についての知識や対応を持っておらず、利用を控えざるを得ない状況があった。
*炊き出しの内容が見た目では分かっても、出汁や調味料の詳細が不明で、アレルギーの心配から利用できなかった。

*高齢者や子供にとって辛い、味が濃い、油分が多いなどの理由で食べにくいことが多く、年齢層ごとの好みに合わないメニューが課題となっていた。

*アレルギー対応の炊き出し情報がなく、アレルギーを持つ人は利用を避けざるを得なかった。
*子供が好む食べ物が少なく、利用しにくい状況だった。

アレルギー対応食品を利用する際に、どのような課題がありましたか。(複数回答可)

【回答】

□必要な種類や量の食品が手に入らなかった・・・(30.8%)

□賞味期限が短かった・・・(15.4%)

□調理方法が分からなかった・・・(0%)

□対応する調理手段がなかった・・・(7.7%)

□特にない・・・(46.2%)

実際に受けた支援で、役に立った物について教えてください。また、その支援はどこからのものでしたか。

【回答】

*カイロ、ミネラルウォーター。(市から)

*金沢医科大学病院でアレルギー外来に行った際にアレルギー対応食品を頂けたこと。

*保湿剤が役に立った。

*マイノリティ支援団体からの長期にわたる寄り添った支援。

*主人の勤め先から頂いたアレルギー27品目不使用のレトルト 友達から頂いたパックのご飯(白米)

*ポリタンク、蛇口付きの給水タンク、卓上ガスコンロ。携帯ウォッシュレット、おしりふき、ガソリン携行缶、匂い防止ゴミ袋、水のいらないシャンプー、ラジオ、軍手 (友達、親戚)

*アレルギー対応した料理。すぐ食べれるように、アイラップで、小分け。温めるだけ。(親)
届いた支援物資で使えそうな 子供たちのお菓子。チンご飯。(知人)
アレルギー対応した、お菓子、レトルト食品。(のとルネ) ・米(バイト先)

*支援団体からのダンボールトイレ。自衛隊からの飲料水。

*ポリタンク、臭わない袋、土のう袋、サランラップ、ペットシート、水、下着、水のいらないシャンプー、お尻拭き 軍手、あめ、液体口腔消毒、ジャージ

 今後の災害時に、どのような支援があると助かりますか。(複数回答可)

【回答】

□アレルゲン除去に対応した炊き出しやお弁当の提供・・・(69.2%)

□必要な種類の十分な量のアレルギー対応食品の備蓄・・・(61.5%)

□アレルギーに関する情報提供・・・(53.8%)

□その他
*化学物質過敏症の人が安心して利用できる食事や避難所の準備が求められている。

*老若男女が食べられるメニューの種類があり、長期避難生活でも選択肢があると助かる。

*炊き出しの情報を周知する際、アレルギー対応の有無も併せて知らせてほしい。対応食がないと、食べられず失望することがあるため。

上記の質問以外にも、災害時のアレルギー対応についてご意見やご感想があればご自由にご記入ください。

【回答】

*化学物質過敏症になると通常の避難所には入れません。他の入居者の化学的な香りや物質に反応して体調が悪くなるからです。支援や対応する側は情報共有をして知ってほしいです。

*被災後、自宅に戻ってからは、通常の医療も簡単に受けられない環境だったのでアレルギー反応を起こさないように気を張りました。対応食について考える余裕がなく、とにかく食べられる物を食べさせていました。2、3週間ほど停電したので、冷蔵保存していた常備薬は使わないほうが良かったのでしょうが、勿体無くて捨てられませんでした。常温で長期的に保存できる常備薬があれば良いのですが。

*断水時、皮膚が悪化してきた時に対応できるもの。 香料苦手な方用に芳香剤ではなく無香料の消臭剤を。 音が気になる方には耳栓など、、、色々なケースに合った支援があるとありがたい。

*炊き出しの調理現場を見せていただく。

*毎日内服するアレルギー薬が足りなくなる不安が常にありました。

*アレルギー対応した食品が置いてあるお店を把握し普段からの備蓄の大切さ、災害時の最低の食事方法を知っておく必要がある。

*少し珍しい?アレルギー食材に対しての理解が薄い為か材料に関して質問しても理解してもらうことが難しくクレーマー的に扱われ困りました。 魚アレルギーなのですが、魚は入っていなくても出汁や加工品(ちくわなどの練り物、ツナ缶な)もアレルギー食材になることを理解してもらえない事もありました。 食べられなくても理解があるだけでも気持ちが救われます。 変な人、クレーマー的に扱われて心配なら食べない方がいいんじゃないという対応をされるととても辛かったです。 もし災害時の食事に関してマニュアルがあるのならば色々なアレルギーがあることを理解してもらえるような記載があるようお願いします。 理解があるだけでも気持ちが救われます。 このようなアンケートをとりより良くしようと調査していただきありがとうございます。 皆が食べられる食事を用意することは難しいと思います。ただ、非常時辛い時に食べられなくても理解があるだけでも救われることがあります。辛い時に更に悲しい言われ方をされるといつも以上に悲しくなります。 今後何かに繫がるようお願いします。

※アンケート調査については、のとルネのマイノリティー支援についてご賛同下さった世界宗教者平和会議様のご支援を頂き実施いたしました。

 


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